【産業天気図・医薬品】米国での特許切れ影響が鮮明化。後半に新薬発売期待あっても大手各社の業績軟調続く

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 中堅クラスはもともと海外販売が少ないために、特許切れ問題の影響は小さい。だが一方で新薬が乏しいため、先行きの苦戦が懸念される。キッセイ薬品工業やキョーリン製薬、科研製薬は主力品が好調なために好業績を続けているが、数年先に正念場が訪れる。あすか製薬は外資からの製品導入で売り上げ確保に懸命だが、既存品の落ち込みや導入費用がかさむことによる収益基盤の消耗が激しく、100人を上回る人員削減に踏み切った。
 
 11年3月期に数少ない好決算となりそうなのが、第一三共や沢井製薬など後発医薬品各社。第一三共は、買収したランバクシー・ラボラトリーズ(インド)が米国での後発品ビジネスで稼いたことが寄与。国内後発品各社は、10年4月の調剤報酬改定による調剤薬局向けの販売増に支えられ、業績を伸ばしている。
(岡田 広行=東洋経済オンライン)

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