有料会員限定

人民元の国際化より中国は国内改革急げ 世界的権威が語るドル・ユーロ・元の明日

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

バリー・アイケングリーン 米カリフォルニア大学 バークリー校教授

 ドル一極体制の限界が言われて久しいが、ユーロや人民元も基軸通貨には程遠い。今後の国際通貨体制はどこに向かうのか、世界的権威であるバリー・アイケングリーン米カリフォルニア大学 バークリー校教授に独占インタビューした。

Barry J. Eichengreen●1952年生まれ。79年に米イェール大学で経済学博士号取得。IMF政策アドバイザーなどを経て99年から現職。大恐慌の研究など経済史、国際金融論の世界的権威。著書の邦訳に『とてつもない特権』(勁草書房)など。

特集「為替ショックが来る」の他の記事を読む

 ──ドル一極体制はいずれ終わり、複数の基軸通貨が併存する時代が来ると主張してきました。

国際貨幣制度の基礎は、安定していて流動性が高い資産だ。長い間これは米国財務省証券(米国債)を意味してきた。しかし、米国が世界経済の中心という時代は終わりつつあるし、ファイナンスの面でもそうだ。もはや米国だけでは、世界のニーズに応えるだけの安全かつ流動性が高い資産を提供できなくなっている。

貿易や金融取引がユーロや中国人民元で決済されるようになるだけでなく、より多くの輸出品が元建てやユーロ建てになるだろう。各国の中央銀行は外貨準備としてドル以外の通貨も保有しているし、それは企業も同じだ。

 ──そうならないとしたら? 

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
為替ショックが来る
さらなる国債格下げで何が起こるか
新興国通貨リスクを総点検
ギリシャや難民など問題山積だが…
世界的権威が語るドル・ユーロ・元の明日
経済の対外開放をめぐるジレンマ
米国一の中国経済通が喝破
実態はポートフォリオの組み替え
突然の切り下げに秘められた意図
中国とブラジルが鬼門
支払いめぐり裁判ざたも
相場の乱高下は米国発
円高なら韓国やタイにシフトも
欧米中を知りつくすDMG森精機トップに聞く
車から100円ショップまで、日本企業の戦い
通貨ストラテジストが易しく解説
専門家2人が読む今後のドル円相場
プロ15人の為替最新シナリオ
実録ディーリングルーム
米中発の激震に備えよ
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内