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破産の間際に債務保証 LIXILに“大誤算"

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優良子会社が一転して破産へ。藤森流の買収戦略にほころびが生じている。

独グローエ買収に伴って開いた2014年1月の会見。ジョウユウはこの買収で手に入れた(撮影:大澤 誠)

住宅設備の国内最大手、LIXILグループが揺れに揺れている。

子会社である水栓金具の中国メーカー、ジョウユウ(本社・独ハンブルク)に不正会計が発覚。優良企業とされていた同社の実態は債務超過であり、5月22日にハンブルク裁判所に破産手続きを申し立てた。これを受けてLIXILは、2013、14年度に、合計で最大410億円の損失を計上する見通しだ。

純資産が約6400億円あるLIXILにとって、今回の損失は屋台骨を揺るがすものではない。が、19年度に海外売上高1兆円を目指し、外資の同業を立て続けに傘下に収めてきた藤森義明社長の成長戦略に、疑問符がつき始めたことは間違いない。

ジョウユウは、14年1月に水栓金具の世界大手・独グローエを買収した際、その子会社として手に入れた。過去5年間で売り上げを2倍に伸ばし、営業利益率も2ケタ台。中国全土に4000店の販売網を持ち、中国市場への橋頭堡となるはずだった。また、福建省に持つ大規模な生産拠点でLIXIL傘下のほかのブランド製品も生産し、コスト競争力を高める原動力にするという青写真もあった。

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