茨城県

人、企業、ビジネスを引き寄せる
つくばエリアのパワー

茨城県 つくばエクスプレス沿線地域

全国的に少子高齢化、人口減少の波が押し寄せているにもかかわらず、茨城県のつくばエリアは継続的に人口が増えている。それどころか、若年層の流入により、エリア全体が若々しさを増しているほどだ。それに呼応して県や自治体は社会インフラの整備に力を入れており、企業や研究機関、商業施設などの集積も加速している。それがまた人を呼び、企業を呼び、ビジネスを呼び寄せるパワーになっている。いったいなぜ、今、つくばなのか。

企業を引き寄せる圧倒的な「知の集積」

総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」(2014年1月)の「人口増加率」を見ると、全国ほとんどの市区町村の数字にマイナスの記号が付いている。日本が人口減時代に入っていることを目の当たりして暗澹たる思いになるが、茨城県のつくばエリアにはそんな悲壮感は微塵もない。むしろ、つくば、つくばみらい、守谷の3市は人口を増やしている。しかも、これは一時的な現象ではなく、この10年近くずっと続いている。なぜ、この3市は人口が増え続けているのか。

(右)ロボットの実験区間は、「知の集積」をうたう街ならでは
(左上)モビリティロボット「ウィングレット」の公道実証実験
(左下)ロボットスーツHAL®で有名なサイバーダイン本社

実はこの3市には、共通点がある。それは、筑波研究学園都市を中核とするつくばエリアを形成している都市であること、そしてつくばエクスプレス(TX)の沿線都市であることだ。

1960年代に建設が始まった筑波研究学園都市は、世界でも有数の学術・研究都市として発展してきた。現在、この地域には筑波大学をはじめ、産業技術総合研究所や宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立環境研究所など、数多くの研究機関がある。公的な研究機関の実に3分の1がこの地域にあり、そこで働く研究者の数は2万人を超えている。そのうち約8000人が博士号取得者だ。

こうした「知の集積」に魅力を感じ、このエリアには民間企業も続々と集まってきている。半導体大手のインテルは東京本社とは別につくば本社を構え、「ロボットスーツHAL®」で有名なサイバーダインもつくば市内に本社を置いている。理想科学工業は昨年、研究学園駅のすぐそばに新たな開発拠点を開設し、それまで茨城県内4カ所に分散していた開発拠点をそこに集約した。

05年のTX開業後 地域の人口は10倍に

それらの企業の多くが、このエリアに立地するさまざまな研究機関との連携や情報交換を活発に行っている。それに応えるように茨城県、つくば市、筑波大学は共同で「つくば国際戦略総合特区」を申請し、11年に政府から正式に指定を受けた。現在、この特区では次世代のガン治療法や藻類バイオマスエネルギーなどの開発を目指す7大プロジェクトが進められている。

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