相手の気持ちを察し、自分本位を慎む--『誰も教えてくれない男の礼儀作法』を書いた小笠原敬承斎氏(笠原流礼法宗家)に聞く

相手の気持ちを察し、自分本位を慎む--『誰も教えてくれない男の礼儀作法』を書いた小笠原敬承斎氏(笠原流礼法宗家)に聞く

小笠原流礼法とは、室町時代、武士が社会生活を円滑にするために作られ受け継がれてきたもので、現代の礼儀作法に通ずる。この礼法が教える「こころ」と「かたち」を身に付ければ、「慎み深く堂々と」振る舞うことができるという。

──昨今、企業研修で声がかかることが多いそうですね。

トヨタ自動車のレクサスの販売ディーラーをはじめ、男性向け研修もけっこう多い。

最近は、小笠原流といっても若い世代は知らない方が少なくない。礼法と聞くと、特別なときに必要で、日常生活には関係ないと思う人が多い。実際にはそうではなく、人間関係を円滑にするツールであり、時や場所を問わない。特に男性には、昔の武士が持っていたすばらしい日本の文化の心を取り戻していただければと思っている。

──武士の生き方をなぜ現代に。

宗家になって15年で初めて、男性向けに書いた。知識としてしっかり理解したいという男性に向けて、一子相伝として嫡男のみに秘伝として伝えられてきた礼法の古文書を基に書き下ろした。作法の根底にある心を理解していただければと思っている。礼法は武士道よりもっと時代をさかのぼる。当時の武士に比べて、現代人の規律の欠如、精神的な弱さはそうとうなもの。その当時の規律や心構え、周囲をおもんばかる心のゆとりを少しでもよみがえらせられればうれしい。

──古文書の『小笠原礼書七冊』は幅広い内容とか。

この伝書には、公家の文化を意識した決まりとそのたしなみが書かれている。それは、手紙の書き方、食事の作法をはじめ、格好のあり方、人との付き合い方、もちろん戦いの場での振る舞い方まで、微に入り細にわたる。今となってはちょっと面白いものに、戦場においては「後ろにしざること」とある。後ろに下がって物事を行うのは負けを意味するので、たとえば主人に武具を着せる際も、後ろ下がりをさせないで着せていく。こういった縁起を担ぎながらも実践的な部分を含めて、一つひとつの作法にさまざまな思いが込められている。

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