コロナで「売れた」「売れなくなった」商品TOP30 オミクロン感染拡大後、「検査薬」が突然の飛躍

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そんな中で、1月24日週の「全品目前年比ランキング」の上位に突如登場したニューフェイスが「検査薬」だ。前年比増加率のトップは麦芽飲料で、これは供給が追いつかず販売休止に追い込まれていたところから販売が再開され、反動で大きく伸びたための異常値だが、今回2位に入った検査薬はそういった特殊要因はない。

妊娠検査キットなどが検査薬カテゴリーの主要製品で、2019年比でこれまでほとんど100%を超えることがなく、さりとて目立つほど減ったこともない、実に地味な存在だった。だが1月17日週に突然267.7%に上昇。1月24日週には436.4%を記録した。

突然の飛躍の原因は抗原検査キットだ。PCR検査はもちろん、抗原検査でも定量検査と呼ばれる手法は特殊な機械を必要とするため、医療機関でしか検査できないのに対し、抗原検査キットは定性検査なので精度は低いが、一般の人でも手軽に自宅で検査ができる。

ドラッグストアでは品薄状態に

昨年9月27日に市販が認められるようになったのだが、感染者数が減少に転じたからか、昨年12月頃まではほぼ見向きもされていなかった。しかし年が明け、オミクロン株の感染拡大が爆発的に進むにつれ、一気に需要が高まった。神奈川県は昨年12月21日付で、家庭での常備を呼びかける文書を出しているが、2月上旬にはドラッグストアから商品が消え、入荷の見通しが立たない状態が続いている。

一時期のマスクやアセトアミノフェンと違い、抗原検査キットは調剤薬局で薬剤師に使い方の指導を受けないと買えない。棚がまるまる空になっていたり、そこに「再入荷時期未定」のポップが貼り付けられているわけでもないので、品薄であること自体、実感しにくいかもしれない。

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