スマホ中毒のわが子に苛立つ親に伝えたい3視点 「スマホのせいで成績が下がる」は本当か

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【2.ペナルティ制度】

ルールを決めたものの、守れない場合もあると思います。

例えば、ゲームがわかりやすいですが、1日1時間と決めた場合、はたして1時間ちょうどで終わるでしょうか。「これが終わってから」「あと3分だけ」と子どもが言い、「しょうがないね!!」と親はブツブツ言いながら認めてしまい、決めたルールが破られていくこともあるのではないでしょうか。

ペナルティを特に作ることなく、ゆるくやっていくという方法もあります。親がイライラしないのであれば、それでもいいかもしれません。しかし、子どものスマホ使用について気になり、見るたびにイライラするのであれば、子どもとの合意のうえでペナルティを作っておくことをお勧めします。

【3.不服申し立て制度】

ルール、ペナルティの内容に問題があるときは再度親子で話し合います。
一度決めたルールやペナルティが適切であるとは限りません。どちらかというと適切でない可能性の方が高いかもしれません。そこで、問題がある場合は、再度話し合いで決めていきます。

例えば、1日1時間は果たして現実的なのかどうか再検討します。1週間で5時間とか、平日はなしで週末に5時間など、さまざまな利用の設定が考えられます。

親のイライラは親子間で不信感が高まる原因に

このようにルールが守れない場合は、曖昧化させるのではなく、再設定し、それを繰り返して、親も子も納得できるルールに落ち着けていきます。

『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

以上、スマホのルール決めについて書いてきましたが、その目的は子どもが勉強するようになることではなく、どちらかというと「親のイライラを減少させるため」になります。親のイライラによって親子間で不信感が高まり、勉強含めた生活全体に影響を与えるかもしれないからです。

決められた枠の中で子どもが使用するのであれば、まったく問題ないと思います。もしそれでも問題であると感じるのであれば、それは、子どもに問題があるのではなく、ルールの設定に問題があると考えられるため、見直しするとよさそうです。

スマホやゲームについてのルールは、初めて持つとき決めると大変スムーズなことが多いです。ぜひ参考にしてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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