「ペット探偵」発見率8割超の裏にハードな仕事術 迷子の救世主!「動物の気持ち」を想像して探す

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猫の捕獲によく使用する捕獲機。餌などを中に置き、ペットが自分から入り込むのを待つ。床にはられた板をペットが踏むと、その重みで入口が塞がれる仕組み(写真:Woman type)

ドロップというのは、動物が餌に気をとられているうちにひもを引っ張ってゲージを落とすという、よく漫画とかでも見る古典的なトラップです。

だけど、猫は警戒心が強いから、そう簡単に引っかかりません。そうなってくると、私と猫との根気比べ。

タイミングを一瞬でも間違えると逃げられてしまうので失敗は許されません。重要なのは、焦らず、じっとその瞬間を待つこと。長いときは、ひもを持ったまま5時間くらいじっとして待っていたこともありました。

時には、猫に見つからないようにマンションとマンションの隙間にじっと隠れて待つことも。理由を知らない人からすれば不審極まりないですよね(笑)。

子どもの頃から「動物のためなら、ずっと待てた」

自分の生い立ちを振り返ると、小さい頃から生き物が人一倍大好きな子どもでした。幼稚園のときは、あの黄色い帽子を使ってスズメを捕まえようとしたりして。

スズメって素早いので、タイミングを狙うにはじっと息をひそめて待つのが大事。普段はじっとしていられない子だって言われていたんですけど、このときから生き物のためならいくらでも我慢できたんですよ(笑)。

「まさか、子どものころの遊びがこうやって仕事に生かされるなんて……夢にも思っていませんでした」(遠山さん)(写真:Woman type)

私の動物好きのルーツは、父。父も動物が大好きで、よく兄と3人で山に遊びにいきました。と言っても、親子で仲良くハイキングというわけではありません。

わが家の山遊びは基本、現地集合、現地解散(笑)。「じゃあ、何時に集合で~」と時間だけ決めて、あとはみんな散り散りになって、おのおの好きな生き物を捕まえたり、自然を見たりして楽しんでいました。

私は13歳で親元を離れて鹿児島の平島という離島で暮らすことになりました。「島留学」と呼ばれる制度で、現地の方のお家に住まわせてもらって、そこから学校に通うんですね。

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