「5G対応iPhone SE」が登場すると予測できるワケ アップルが新製品オンラインイベントを告知

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招待状に書かれている「パフォーマンス」というキーワードにも注目だ。ここで真っ先に思いつくのが、Apple Siliconである。

アップルは2020年6月に、主力コンピューターのMacで採用してきたインテルチップを自社設計のApple Siliconに2カ年で置き換える計画を、世界開発者会議(WWDC20)で発表した。2022年はちょうど2年という計画の年限に相当し、すべての製品がApple Siliconでリリースされることが重要となる。

現在Apple Siliconに置き換わっていないのは、
・ Mac miniの上位モデル
・ 27インチiMac
・ iMac Pro
・ Mac Pro

の4モデルとなっており、いずれもより高い性能が求められるハイエンドモデルばかりだ。

アップルは2021年10月に、MacBook Proの上位モデルを刷新し、これにはM1 Pro、M1 Maxという高速化されたApple Siliconが採用された。特にMac miniと27インチiMacについては、これらの上位チップを搭載した新モデルが登場することが予想される。

一方iMac Pro、Mac Proの2つのモデルについては、過去の性能と照らし合わせても、性能が高いM1 Maxのさらに上を行くチップを搭載するか、これを複数搭載してより高い性能を目指す、といったシナリオが必要となる。

招待状に書かれていた「最高峰を解禁。」というキーワードからすると、すぐに製品は出ないとしても、どのようにして最高の性能を実現するのか?という道筋を示すことになるだろう。

もう1つのパフォーマンス

もう1つ、今回のイベントで取り沙汰されているのが、廉価版のiPhone SEの刷新だ。

iPhone SEは日本市場で4万9800円(アップルウェブサイトでの税込み価格)、アメリカ市場で399ドルからという価格設定で、ホームボタンとTouch ID(指紋認証)を備えるiPhone 8と同じデザインのスマートフォンだ。
地味な存在に見えるが、日本で最も販売されているスマートフォンであり、アップルにとっても開発費を回収し終えていることを考えると、最も利益率の高いiPhoneと言える。

このiPhone SEを5Gに対応させ、最新のiPhone 13と同じA15 Bionicチップに載せ替えるアップデートを行うことが期待される。同様のチップの載せ替えはiPhone 11でも起きるかもしれない。

2020年に発売されたiPhone SE(第2世代)。iPhone 8の製品デザインとiPhone 11と同じA13 Bionicチップを搭載しており、日本で最も売れたスマートフォンとなっている(筆者撮影)
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