EV覇権握るのは?世界自動車メーカーの大競争図 トヨタ、テスラなど日米欧中の勢力を徹底比較

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③ 日本が誇る世界的企業「トヨタ」VS EVの雄「テスラ」

宇宙関連企業スペースX社の創業者としても知られるイーロン・マスクがCEOを務めるEVメーカーの雄・テスラ。対するは日本が誇るグローバル企業・トヨタ自動車。同じ自動車メーカーながら、その事業構造は大幅に異なる。

「破壊者」と称される自動車業界の革命企業

自動車業界のディスラプター(破壊者)とも称されるテスラ。同社はテクノロジー企業の側面も持つ自動車製造企業であり、化石燃料使用による経済からの脱却をミッションに掲げている。

通常の自動車メーカーは外部製造業者との分業で成り立っているが、テスラは車両製造のみならず、周辺サービスも含めての完全内製化を目指しており、設備投資や研究・開発に多くの費用を割いている。今後、自動運転技術やサブスクリプションのサービスなどで市場での優位性を確保できれば、一躍世界トップの自動車メーカーになる可能性もある。

自動車の脱炭素化に向けて変化を求められる巨大企業

トヨタ自動車は、売上高、純利益、時価総額のどれをとっても日本最大の企業。2020年3月期決算では、売上高、営業利益ともにコロナ禍の影響で前年より落ちたが、2021年現在、いずれも回復している。過去にトヨタはEV開発でテスラと業務提携を行っていたが、見るべき進展はなく、2017年にテスラ株を売却。現在は独自でEV開発を行っており、2020年度のハイブリッド車を含む電動車販売比率は約20%だった。なお、トヨタが2022年度にかける研究開発費は過去最高の1兆1600億円と見込まれている。

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