ホンダの正念場、「品質改善」が急務に リコール多発で新車投入が遅延、工場は減産

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昨年9月の新型「フィット」発表会で説明を行った伊東孝紳社長

過去最高益を狙う勢いだったホンダに、急ブレーキがかかっている。10月28日に発表した中間決算では、前期比2割増となる103万台の国内販売目標を10万台引き下げた。

その原因は、昨年後半に発売した主力車種の「フィット」で5度、「ヴェゼル」で3度と、短期間に相次いだリコール(回収・無償修理)で、ほかの新車投入に遅れが生じたことだった。四輪事業は中国の販売も下振れしており、世界販売目標を490万台から469万台(前期比7.5%増)に見直し。ただ、為替が当初の想定より円安に振れたことで利益の押し上げ効果があり、営業利益は前期比2.6%増の7700億円と、当初の計画を据え置いた。

輸出生産量が年々減少

為替に救われたとはいえ、国内販売のもたつきは痛手だ。4月の消費増税に照準を合わせ、2014年度は過去最多の6車種の投入を予定していた。が、上期の新車はゼロ。国内販売は38万台にとどまった。

相次ぐ不具合を受けて品質点検を徹底した結果、「(投入が)6カ月近く遅れた」(岩村哲夫副社長)という新型車種もある。国内生産は8月から前年同月を下回り、10月から11月にかけて、埼玉県の二つの工場が減産を余儀なくされている。

ホンダは海外拠点の拡大で、2000年代前半に6割台だった海外生産比率が、直近で8割まで上昇している。今年2月には、メキシコで最大20万台の年間生産能力を持つ新工場が稼働し、北米の能力は192万台に拡大した。その結果、国内生産に占める輸出比率は年々低下しており、今上期はわずか3.6%だった。

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