脱「バーバリー」依存、浮沈かかる三陽商会 新たなブランド戦略でV字回復なるか
10月中旬に三陽商会が行った「マッキントッシュロンドン」の発表会は異例づくしだった。同社としては初のホテル開催。全国の百貨店から通常の2倍以上の900人が詰めかけ、売り場担当者に加え、各店の店長や社長までもが足を運んだ。
それもそのはず。マッキントッシュは、「『バーバリー』の売り場に取って代わるブランド」(杉浦昌彦社長)で、三陽の命運を握る新ブランドだからだ。
16年度は20億円の営業赤字
1970年からライセンス展開してきた「バーバリーロンドン」は、全国の百貨店に300の売り場を持つ屋台骨のブランドだった。だが今年5月、2015年6月末でのライセンス契約終了が決まった。これを受けた向こう5年間の業績見通しによると、バーバリーの秋冬商品販売がなくなる15年度に営業利益は急減。春夏商品もなくなる16年度は20億円の営業赤字に転落する見込みだ。
その後はV字回復を想定しており、18年度には今期と同レベルの利益水準を描く。復活の立役者と位置づけるのが、マッキントッシュ。バーバリー売り場の7割をこのブランドで継承し、15年半ばから3年半で年商200億円と、同社最大のブランドに育成する方針だ。
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