ウクライナ危機が日本の「対岸の火事」ではない訳 小野寺元防衛相「自国は自国で守るスタンス必要」

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ロシアによる軍事侵攻の影響は日本の北方領土問題や台湾にまで及ぶと小野寺元防衛相が警告(写真:FNNプライムオンライン)
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小野寺五典元防衛相(自民党安保調査会長)は20日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、ロシアによる軍事侵攻の緊迫度が増しているウクライナ情勢をめぐり、「この問題は必ず日本に影響する。自国は自国で守るというスタンスがなければ、日本もウクライナと同じようなことになる」と警告した。

ウクライナ侵攻と北方領土

小野寺氏は、バイデン米大統領がロシアの軍事侵攻があっても、ウクライナ国内にとどまるアメリカ民の退避のためにアメリカ軍を派遣する考えのないことを早々に表明したことに触れ、「アメリカの姿勢が少し心配だ」と述べた。「トランプ大統領なら、アメリカの軍事アセットを周辺に配備して力を示した。バイデン大統領はそれをしないというのであれば、プーチン大統領からみれば『口先だけだな』と(見透かされる)。お互いが強い立場にあるからこそ交渉ができる」と語った。

FNNプライムオンライン「日曜報道 THE PRIME」(運営:フジテレビ)の提供記事です

小野寺氏はNATO(北大西洋条約機構)がウクライナへの軍事支援に二の足を踏んでいることを受け、「台湾でも自分たちは結局見捨てられるのではないかという話が浸透してくると、やはり中国と仲良くしようという勢力が出てくる。東アジア、台湾ではすでにハイブリッド戦が行われていると考えるべきだ」と指摘した。

また、ウクライナ危機が高まれば、日本近海で核兵器を搭載可能なアメリカ原潜とロシア原潜が一触即発になるとの専門家の指摘について、小野寺氏は「アメリカとロシアの主戦場はいま千島列島付近になっている」と同調。「北方領土が話し合いで返ってくることはあまり大きな期待はできない」と述べた。

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