世界の富豪がいま、次々お金を突っ込む「投資先」 ジェフ・ベゾスやイーロン・マスクも参入

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2020年2月に立ち上げを発表し、同年11月にThe Nature Conservancy、Natural Resources Defense Council を含む16の組織が最初の資金提供先として、合計7.91億ドルが寄付されることが発表されました。2030年までに100億ドル(約1兆1000億円)を拠出することにコミットしています。

イーロン・マスク

テスラ共同創業者のイーロン・マスク氏は、二酸化炭素(以下CO2)を大気中から永久に取り除くために最も効果的な技術を開発した人に1億ドルの賞金を贈る、XPRIZE コンテストを発表しました。2021年4月22日から2025年4月22日までの4年間にわたって行われるこのコンテストは、大学、企業、個人など、誰でも応募することができます。

受賞者は4年後に決定され、賞金は複数の受賞者に分配されます(優勝者に5000万ドル、準優勝者〈最大3名〉に3000万ドルなど)。コンテストの応募条件は、年間1キロトン以上のCO2を除去できるシステムを本格稼働させること、回収したCO2を100年貯留できることを証明すること、除去能力を年間ギガトン規模に拡大するための道筋を示すことです。

マスク氏は、2002年に財団を創設しており、宇宙探査や再生可能エネルギーなど、マスク氏のビジネスに関連した分野に資金を提供しています。その他、マスク氏は環境保護団体、Sierra Club に600万ドル以上を寄付しています。

環境ベンチャーに投資

ビル・ゲイツ

ビル・ゲイツ氏は、気候危機に取り組む企業に投資をすることを目的にブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ(BEV)を2016年に設立しました。BEVは、10億ドル規模のファンドで、先ほどのジェフ・ベゾス氏、ジャック・マー氏、孫正義氏などのIT企業家らが投資家として名を連ねています。

2050年までに世界のCO2排出量の実質ゼロを実現するためのイノベーションを支援しています。従来の技術系ベンチャーキャピタルは通常、投資の回収期間を5年などと定めていますが、BEVは20年スパンで投資を行い、商用化の可能性がある企業にはさらに多額の資金を提供するアプローチをとっています。これまで20億ドル以上を調達し、11カ国の80以上の企業に投資しています。

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