そこで、佐瀬社長は思い切って、反対を押し切り、商品をたこ焼きのみに絞り込んだ。たこ焼きは、実演販売がしやすく訴求力がある。
また、時間帯に関係なく売れる。作り置きをせず、焼きたてを提供できるというメリットがある。そして何より、家族みんなでつつきあえる「共食」の食べ物である。たこ焼き専業にして、味にも改善を重ねたことで、徐々に売り上げが拡大していった。これが、銀だこ登場のきっかけだった。
顕在化した「タコリスク」と、スケールデメリット
たこ焼きに絞り込んだ後は、全国のたこ焼きをこれでもかと食べ歩き、半年以上、毎日たこ焼きを食べていたという佐瀬社長。その後、現在のたこ焼きの味を確立した後は、順調に成長を続けていった。
ちなみに、たこ焼きの表面を揚げる独自のスタイルは、持ち帰っても冷めず、いつまでもおいしく食べられるように考え出したものだ。
しかし、そこで顕在化したのが「タコリスク」だった。
店舗が100店を超えた頃から、原材料の中でも特にタコの調達に苦労し始める。300店を超える頃には、銀だこが輸入していたタコは年間2000トン以上にのぼった。実に、日本のタコ輸入量の1割以上を占めていたのだ。
そうなると、銀だこの買い付け一つで市場が左右されるため、安定調達が非常に難しい。天かす、青のり、紅ショウガという他の料理ではニッチな食材でも、同様の現象が発生した。しかも店舗数が増加するにつれて、スタッフのレベルの差が激しくなり、味や、サービスもばらつきが目立つようになった。
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