団塊ジュニアが直面する「親の75歳以降」4つの難題 2022~25年で団塊世代600万人超が後期高齢者に
2018年度末現在の数字では、第1号被保険者3525万人(65歳から74歳1730万人、75歳以上1796万人)、第2号被保険者は4192万人となっている。現在の要介護認定者数は、第1号被保険者では645万人、そのうち75歳以上は572万人に達している。
ちなみに、人口に対する要介護の認定率は75歳以上では32.2%(総務省統計局、人口推計および介護給付費等実態調査、2017年10月審査分)だが、85歳以上になると60.1%に上昇する。90-94歳では71.4%、95歳以上では92.8%に達する。年齢とともに確実に、要介護状態になるわけだ。
現在の団塊世代の収入の大半は、年金給付金に頼っていると言われる。年金給付金の具体的な金額は、厚生労働省「令和元年度(2018年)厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金受給額は年齢別に見ると次のようになっている。(厚生年金保険の平均年金月額、基礎年金額を含む。令和元年度現在。カッコ内は国民年金の場合)。
・72歳…… 14万5757円(5万6716円)
・71歳…… 14万6568円(5万6902円)
・70歳…… 14万7292円(5万6947円)
・69歳……14万2764円(5万6870円)
8割程度が年金で暮らしている
2012年に内閣府が行った前出の意識調査によると「団塊の世代の世帯の主な収入源」は次のようになっている。
・給与所得……31.6%
・事業や不動産の収入……10.2%
ちょうど団塊の世代が65歳にさしかかった頃の調査であり、まだ働ける人が多かった時期に当たる。おそらく現在では給与所得の31.6%は、その多くが年金所得に置き換わっているはずだ。つまり8割程度の人が年金をメインの収入として暮らしていると考えていいだろう。
団塊の世代の大学進学率は、当時約17%程度。そういう意味では平均的に見て決して豊かな年金給付金をもらっているとは言いがたいものがある。それでも、日本の場合は高度成長期を支えた団塊の世代に対して企業年金等手厚い福祉が充実しており、単純にこの年金額だけで団塊の世代の家計を判断してはいけない。
50兆円とも70兆円とも言われてきた団塊の世代の退職金の存在もある。そもそも団塊の世代の退職金が、使われずに銀行に滞留しているのも現在の日本経済の個人消費の伸び悩みと関係しているという説もある。その一方で、財務省の「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(2018年5月)」によると、年金などを含めた「社会保障給付費」を全体で見ると、2018年度の121兆円から2025年度には最大で140兆6000億円程度になると推計されている。自己負担分が増えていくのは目に見えているわけだ。
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