日産の社長広報がウルグアイ大使になった! カルロス・ゴーン専属の“元祖“、田中径子氏に聞く

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たなか・けいこ●1960年東京都生まれ。84年上智大外国語学部卒、日産自動車入社。米スタンフォード大経営大学院留学や米ワシントン駐在を経て99年帰国。カルロス・ゴーン社長専属をはじめ、日産の広報業務に広く携わる。2013年子会社ジヤトコで執行役員待遇。

――選任された理由は聞かされたのですか。

聞かされていませんが、外務省が私の経歴などを調べたうえでのことだろうということで、本人としても大使の仕事が務まると考えるしかありません。普通はこんな話は来ませんから。私は転職しないうちに所属企業(日産)はいつのまにか外資系になってしまいましたが、やっぱり日本人ですから日本のために仕事ができるというのは名誉なことです。

――ウルグアイへ渡航した経験は。

ありません。南米は日産のカルロス・ゴーン社長に付いてブラジルやアルゼンチンに行ったぐらいです。今にしてみると、それでも南米に行っておいてよかったと思います。海外経験は学生時代と社会人になってから計6年ほどありますが、外務省の方からすれば豊富とはいえません。なので今、いろいろと必死に勉強中です。

――大使になりたいという希望があった?

まさかまさか。私にはたまたま知り合いで大使になった方がいらっしゃるのですが、まさか私に回ってくるとは。私は直近、日産から子会社のジヤトコに出向していて日産本体に在籍していなかったので、その中で思い出してくれたのは感謝しています。

日本とウルグアイ、よりよい関係を

――ウルグアイ大使就任の抱負を教えてください。

日産やジヤトコの方からたくさんのメールをいただきました。特に海外駐在の経験がある方からは「海外でいざというときに頼りになるのは日本の総領事館や大使館だ。大変だけど頑張ってほしい」と。そういう意味では、ウルグアイ現地の日本人の立場を安全にするのが第一です。

また、日本とウルグアイは投資協定の交渉をやっていて、これが締結された暁には、民間企業の経験をいかして、日本とウルグアイのよりよい関係の構築に貢献したいと考えています。日産にも投資を売り込みます(笑)。私がウルグアイ大使に就いている間に、ブラジルのリオでオリンピックがある。その次は2020年の東京五輪。南米でも日本について関心が高まっていると思います。

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