内需伸びない根底に規制 政治に任せず民で解決を--ローソン社長CEO 新浪剛史

一方で政治は輿論ではなく「世論(せろん)」で動いている。輿論とは健全な物の考え方、熟考できる人たちが議論して形成していく質の高い意見だ。経済界は輿論作りに自ら動かないとダメ。政治に要望するだけではなく、自分たちも行動を起こしていかないといけない。

──輿論形成には国民への啓蒙や教育も不可欠ですね。

これからの10年を見据えて、企業や社会全体が再度教育に力を入れるべきだ。弊社では教育は「共育」、育てることはともに育つことと認識している。だから、パブリック、コミュニティの中で教育をやるべきだ。日本は、歴史的に寺子屋や藩校というインフラがあったからこそ、今があると思っている。いわゆる、ワークエシックス(働くことの倫理観)は日本が世界一だと思うが、これが今、風化しつつある。ワークエシックスの中心は道徳だ。この価値を再度見直したうえで、10年の計をやり直さないといけない。

50代以上の市場開拓が持続的成長につながる

──国内消費低迷の中、コンビニ業界は今後成長し続けられますか。

コンビニは街の隅々にあり目立つので、小売業界の中でシェアが高いように見えるが、全体の1割前後にしかすぎない。お客様の中心は20~40代の男性なので、まだコンビニをそれほど使わない人も多い。たとえば50代以上や女性の支持は、私たちが考えるよりも低い。こうした方々に必要とされる商品やサービスがそろってないからだ。

パイを奪い合うだけで、イノベーティブとは言えない業界になっているのは、店舗をたくさん出してシェアを取ることだけを、各社が重視するようになったためだ。では今後伸びるためには、どうすべきか。他業態からシェアを取っていくのかと聞かれれば、そういうことではない。生活に必要な新しい提案や、新しい市場を創造することで、内需につなげるようにしたい。たとえば、伸びる可能性が高い50代以上のマーケットを攻略できれば、持続的な成長産業になれる。

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