ジャパンマリンは、どんな造船会社を目指す? 三島社長が語る戦線拡大を進めるワケ

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――世界の中での位置づけは?

世界を見れば、韓国の巨大な3大造船会社(サムスン重工業、現代重工業、大宇造船海洋)との間に歴然たる規模の差が存在する。当社の今の規模では、世界での立ち位置うんぬんを語る資格はまだないですよ。韓国勢は海洋資源構造物も大々的に手掛けているので単純な比較はできないが、せめて商船分野で匹敵する規模にはなりたい。

――三島さんは折に触れて、日本の造船業の将来を案じる発言をされていますね。

ええ、ものすごい危機感を抱いていますよ。日本の造船業は長く世界のトップを走ってきたが、韓国に抜かれ、中国にも抜かれた。かつて、シェアは50%あったが、今や20%程度。再び50%に戻すのは無理だとしても、せめて35%ぐらいまではまでシェアを取り戻すぞ、と。そういう躍動感が今の日本の造船業界にあるかというと、まったくない。

そういった背景もあって、残念ながら、造船産業に対するイメージがどんどん下がっている。流れを変えないと、このままでは若い優秀な人材が集まらなくなり、産業としての未来はない。だから、若い人たちに魅力を感じてもらえるよう、この会社を成長力のある、活力に溢れた造船会社にする。一連の再編や新たな船へのチャレンジは、そのための手段でもあるんです。

渡辺 清治 東洋経済 記者
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