メキシコ湾原油流出事故で三井物産子会社へ400億円超の費用請求、「原因究明が先決」と支払いは保留

メキシコ湾原油流出事故で三井物産子会社へ400億円超の費用請求、「原因究明が先決」と支払いは保留

三井物産は4日、決算投資家説明会の席上で同社が70%を出資する子会社・三井石油開発が参画した米メキシコ湾探鉱の原油流出事故に関連し、最新の状況について説明を行った。

同社によると、事業運営主体の英BPから7月末時点で総額4億8000万ドル(円換算で約410億円)の費用請求を受けているという。また、周辺の住民や企業がBPを始めとする同プロジェクト参画企業に賠償を求める裁判を起こしており、その対象に三井石油開発などが含まれる裁判件数が現時点で延べ138件に上ることも明らかにした。

BPからの請求は、流出した原油の回収作業などで発生した費用の一部。4・8億ドルは5~6月分で、7月以降も追加の請求が届くのは確実。こうした請求に対して、松本順一・三井物産副社長は「責任と義務がどこにあるのかは、事故の原因究明を待つ必要がある」と語り、当事者である三井石油開発も支払いを保留している。

流出事故が起きた米メキシコ湾の探鉱プロジェクトは、石油メジャーの英BP、米アナダルコ、三井石油開発の共同事業。みずからオペレーターも務めるBPが事業主体で、プロジェクトへの出資比率は、BPが65%、アナダルコ25%、三井石油開発は10%。アナダルコはBPに重大な過失があったとして、事故に絡む費用負担を拒否している。

なお、今回の事故により同プロジェクトは将来の利益貢献がまったく見込めなくなったため、物産は第1四半期決算において、鉱業権など資産計上分を全額損失処理。その金額については明言を避けたが、関連損失処理額は数十億円と見られる。回収作業費用や各訴訟の賠償等の潜在損失については、BPの過失の有無によって責任範囲が大きく変わりうるため、「現時点での費用見積もりは困難」として、その引き当て処理等は見送った。

原油流出事故に関連した説明会での主な質疑応答は以下のとおり。

--流出事故にかかわる会計処理について、会計士はどういった見解を示しているのか。

同案件に絡んで資産計上しているものはすべて落とした。資産計上しているもの以外の費用の見積もりは現時点では困難。会計士も同様の見解であり、(資産計上分だけを損失処理した第1四半期決算は)適正な会計処理という意見をもらっている。

--BPから請求を受けている4億8000万ドルの中身は?

クリーンナップ(回収)作業の費用など、いろいろなものが入っている。実際に発生した費用の10%相当という理解でいいと思う。

--オペレーターであるBPの過失が証明された場合、三井石油開発の賠償責任はどうなるのか。

第三者による調査の結果、仮にBP側に重大な過失があったとした場合に、三井石油開発とBPの費用配分がどうなるのか、本当に(負担が)ゼロになるのかどうかは、現時点ではまだわからない。

--今回の事故により、物産の投資計画に何らかの影響が出るか。また、BPが事業権益の切り売りを始める中で、物産がそうした権益を買う考えはあるか。

当社の投資計画に影響があるかと言われれば、まったくない。今期、当社はエネルギーを含めた全部門で7000億円の投融資を計画しているが、これは計画通りにやる。むしろ、攻めていくべき経済環境だと思う。第1四半期にはメキシコの発電事業で大きな投資もやった。BPが手放す権益については、それを買うかどうかの選択肢はあるが、現時点で具体的な計画はない。

(渡辺 清治 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2010.03  9,358,379 144,513 126,040 149,719
◎本2011.03予 11,500,000 330,000 380,000 360,000
◎本2012.03予 12,000,000 350,000 400,000 380,000
◎中2009.09  5,355,872 75,526 55,780 72,835
◎中2010.09予 5,500,000 180,000 210,000 200,000
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         1株益¥ 1株配¥
◎本2010.03  82.1 18 
◎本2011.03予 197.3 36-39 
◎本2012.03予 208.2 36-40 
◎中2009.09  40.0 7 
◎中2010.09予 109.6 18 
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