ハーバード流は、「アメトーーク」で学べ? 一流とは、ひな壇でもキラリと光る人!

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雛壇芸人から学ぶ、「発言してナンボ」

「アメトーーク」のトークから学べるのは、自分の役割を理解して、議論に積極的に参加していく姿勢。出川さん、関根さん、有吉さん、山崎さん(アンタッチャブル)、高橋さん(サバンナ)とおなじみのメンバーを思い浮かべてみても、役割がかぶっていないのがわかります。これはハーバードでも同じで、たとえば、日本人+男性+金融出身だとすると、どの視点から話せば、誰も知らないような話ができるか、頭を巡らせるのです。

この「アメトーーク」のトーク手法は、たとえば会社の会議などに参加するときにも使えます。「自分はこの会議でどういう役割を果たせばいいか」と考えて話すと、「出来るヤツ」と評価され、「得点」を得ることができます。それが仮に出川さんのような役目であっても、何も話さないよりはずっとマシ。

日本企業の会議では一言も話さない人が参加していたりしますが、一流のグローバル企業ではありえません。話さない人は減点。アメトーーク流(ハーバード流)でどんどん発言したほうがいいのです。

「アメトーーク」もハーバードの授業も基本にある姿勢は「出演者(学生)を最大限に生かす」「出演者(学生)を育てる」「視聴者(学生)を楽しませる」こと。出演者も視聴者も大事に扱いながら番組や授業を構成しているため、トークだけなのに面白いのです。

ハーバードの授業スタイルは少しずつ変化はしているものの、100年以上続いているそうですから、「アメトーーク」も進化をし続ければ、あと何十年間は続くかもしれません。黒柳徹子さんのように大御所になった宮迫さんと蛍原さん、想像しただけで楽しい!

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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