靴底に穴があいた頃が自分の足になじんだ時--『紳士靴を嗜(たしな)む』を書いた飯野高広氏(服飾ジャーナリスト)に聞く

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 この1、2足目がともにクロとすれば、それからどうそろえるか。3足目は茶色で行くか。1、2足目がシンプルだから、飾りのついているものにチャレンジする。この3足があれば、上に着るものが何であれ、履き回しがきく。4足目以降はご自身の感性。使い方、使用環境による。雨降りならラバーソウルが当然あっていいし、脱ぎ履きが多いならローファーみたいな、寒がりにはブーツとか……。バリエーションを増やしていけば。結果的にちょっとずつ違ったものが増えていくから、それでローテーションはできる。

--海外物も国で特徴が……。

生産国によって結構キャラがある。英国は、最近軟派になっているものの、なお英国紳士の名に違(たが)わず、ヒモ靴とか伝統的なデザインが多い。イタリアはイタリアで、どう楽しく美しく生きていくかという感覚に長けていて、いい意味で格好をつける。特に立ち姿が美しい靴という意識がある。運動性とか機能性となると、ことさらすごいのは米国製。米国の場合は、ほとんど国内生産ではなくなり、本国生産のブランドはごくわずかだが。

--手入れも大切ですね。

せっかくいい靴を履いたなら、しっかり手入れをする。高級靴でも手入れをしてないと、価値は半減してしまう。逆に、1足9800円とか、そういう靴であったとしても、こまめに手入れをしていると、見え方が違う。ビジネスマンとしても、身なりに気をつける堅実なタイプと評価されるのではないか。

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