わが子への「怒り」小手先でなく根本から消す方法 怒りのコントロール以前に必要な3つのこと

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そこで、「怒りをコントロールするのではなく、怒りの前の状態をコントロールする」ことをされてみてはいかがでしょうか。

怒りが出てきた段階では、すでに感情的になっており、そのような心をコントロールすることは容易ではありません。そこで、「怒る前」の状態を整えておくことに焦点を当てていくことで、結果として怒りの沸点を下げることにつなげるのです。

【怒りの原因】

では、まず怒りの原因を考えてみましょう。なぜ怒りの沸点が低いのでしょうか。これまで、前述のMama Cafeで多くの母親に調査した結果、次の2つの原因が多く聞かれました。

(1)いつも、きちんとちゃんとしないといけないと思い込んでいる

→自分の親によって刷り込まれた可能性が低くありません。小さい頃から、「きちんとする、ちゃんとする」という抽象的表現によって漠然と、きまじめにしなければいけない、と思い込んでいる可能性があります。それを自分の子どもに投影し、そこから外れている姿を見ると怒りが出てくるということです。

(2)普段からストレスが蓄積していて、たまったエネルギーを身近にいる子どもに向けてしまう

→忙しい日常生活の中で、ささいな「我慢」が積み重なり、いつしかそれが膨れあがり、たまたま目の前にいた子どもの様子を見て、“爆発”することはよくみられる光景です。

怒りの原因を解決するための3つの提案

【3つの提案】

そこで、これらの原因を解決するために、次の3つを提案します。

(1)思い込みを変えるには、状況をロジック(理屈)で理解していく

上記の原因である(1)に対応した対策です。ロジックを積み上げて感情を後退させていきます。

例えば、「子どもはなぜ私の言うことを聞かないのか?」という点から始めます。

それに対して、「私の言い方が悪いから」「伝えるタイミングが悪いから」「単純に私がイライラしているから」「子どもが必要性を理解していないから」など、考えられる理由を挙げていきます。そして次に、「なぜ私の言い方が悪いのだろうか?」と順に考えていきます。

このように積み上げていくと、今まで見えていなかった、本当の原因が見つかることもありますが、実はロジックの内容が重要であるわけではありません。このようにロジックで考えることで、意識が別に向かうため、モヤモヤ段階の感情が後退し、怒りの沸点が下がる可能性が高くなるということです。

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