「失敗を引きずる人」にありがちな考え方の正体 「結果目標」ではなく「行動目標」に変換しよう

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気分が落ち込みやすい人の大半は、たった1つの基準で考えています。

それは、「当初の予定や目標通り、事が進んだか・進まなかったか」です。

物事が想定通り100%うまくいくことは、ほぼありません。逆に100%うまくいかないこともありません。しかし、この基準だけで物事を考えてしまうと、「0か100」「◯か×」という二者択一の評価しかできなくなってしまいます。

物差しのメモリが大きすぎて、部分点が入らないのです。すると、「70%はうまくいっているのに、できていない30%に注目し完璧にできない自分を責めてしまう」「まだやれることがあるのに、あきらめてしまう」といったことが起こります。

心当たりのある人は、物差しのメモリをできるかぎり小さくすることで、小さな変化、成果、結果に気づくクセをつけましょう。

たとえば、「企画は通らなかったけど、田中部長は面白いと言ってくれた」「また禁煙に失敗したけど、今回は1週間続いた」など、些細な成果でかまいません。これに気づけるかどうかで、その先の行動が大きく変わります。

オススメなのは、「できていること」を書き出すこと。どんなに些細なことでもいいので、「できている」ことを紙に書き出してみてください。ポイントは、たとえ完璧にできていなくても部分点をあげていくこと。

物事を「できないメガネ」で見るのではなく、「できるメガネ」で見るようにするのです。 そこで気づいた「できた!」が、「次もできそう!」につながっていきます。

禁煙に挑戦している人が、我慢できずに1本吸ってしまったとしても、「私は意志が弱いから、禁煙は無理なんだ」と考えるのではなく、「これまで1日1箱吸っていたんだから、1本くらいならまあいいか」と捉えることができれば、失敗を繰り返しながらも、着実に1日の本数を減らし、禁煙達成へと近づいていくことができます。

「結果目標」ではなく「行動目標」に注目する

「また今月もノルマをクリアできなかった」「TOEICの点が伸びない」

思うような成果が出ないと、「今月はあきらめて来月頑張ろう」「どうせいい点数をとれないなら、勉強しても意味がない」など、モチベーションが下がってしまいがちです。

本当は、もっとアポイントをとったり、勉強を積み重ねれば成果が出るのに、動くのが億劫になりつい先延ばししてしまう。こうなると、うまくいかないことが繰り返され悪循環に陥ってしまいます。

この悪循環から抜け出すためには、結果目標ではなく、行動目標にフォーカスすることが有効です。

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