日本一安全なレンタル用キャンピングカーの裏側 乗りなれていない人でも安心できる配慮が満載

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レンタル専用車両「クレステッド アイビス」の外観(筆者撮影)

今回、新開発したレンタル向けのクレステッド アイビスは、そのサクラのノウハウを投入した車両だ。サクラと同じく、ベースシャーシには、いすゞ製ビーカムを使用。運転席以外のキャビン部を架装したキャブコン(キャブコンバージョン)と呼ばれる本格仕様である点もサクラと同様だ。

クレステッド アイビスのダイニングスペース(筆者撮影)

室内中央部には、テーブルとソファを備えたダイニング、キッチンなどを配置。後部には2段ベッドを備え、前方上部には大人3名が橫になれるバンクベッドと呼ばれる就寝スペースも確保する。さらに270W×3枚の大容量ソーラーパネルやリチウムイオンバッテリーによる高効率充電システムも採用。エンジンを停止した状態でも、安心してクーラーや冷蔵庫、電子レンジなどが使える。乗車定員6名、就寝人数7名だ。

なお、クレステッド アイビスは、レンタル業者への販売価格が約1320万円を予定する。一方、一般ユーザー向けのサクラは、内装などがオーダー可能なため、価格は変動するが、オプション込みで約1500万円程度になることが多いそうだ。

レンタル専用キャンピングカーの特徴

一見するとサクラとの違いはあまり感じられない。車体上部のバンクベッド部のデザインが多少異なる程度だ。NTBの蜂谷氏によれば、「基本的に機能や品質はサクラと同様で、全長や全幅をよりコンパクトにしている」という。

クレステッド アイビスを後方から見た外観(筆者撮影)

クレステッド アイビスは、全長4980mmで、サクラの全長5230mmに対して250mm短縮している。全幅は1980mmで、サクラの全幅1990mmに対して10mm狭い。これは、前述のとおり、レンタル車両の場合、キャンピングカーをはじめて運転するユーザーが多いためだ。蜂谷氏は、「大きな車両の運転に慣れていない人向けのサイズ」だという。また、例えば、日本では駐車場のサイズが2000mm×5000mmといったスペースが多い。駐車や車庫入れ時に、車体がスペース内にきっちり入ることも考慮しているという。

クレステッド アイビスのエントランスドア(筆者撮影)

加えて、クレステッド アイビスでは、極力壊れにくい部品を使っているという。例えば、室内に出入りする車体左中央のエントランスドアは、アメリカ製を使用。サクラでは、より高級でデザイン性に優れるフランス製だが、初心者が乱暴に開閉した場合に壊れる危険性もある。そこで、より頑丈なタイプを採用しているのだ。また、車体橫の左右にあるアクリル製ウインドウも、サクラが外側に開くタイプなのに対し、クレステッド アイビスは橫に引いて開閉するタイプだ。これは、サクラのようなタイプの場合、ウインドウを閉め忘れて走行すると、走行風でウインドウが飛んでしまう場合もあり、最悪は事故につながるからだ。

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