年収1000万も「占い学校」通うのはどんな人たちか マニアックな世界から「普通の人」が通う学校に

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「入学した頃は12星座の名前すら言えませんでした。授業ではホロスコープの読み方を徹底的に学び、天体の役割や星の位置が意味すること、そして運命や転機を推察するテクニック、計算方法など、段階的に学んでいきます。

これらの基礎編が終わったら、次は実践です。お客様役の人(サンプラー)に実際に鑑定を行い、具体的な悩みに関してホロスコープをどう読み解くか、そして伝え方、アウトプットの仕方などを繰り返しトレーニングします」

タロットも同様だ。歴史的背景や神秘思想などを学びながらカードの絵柄の意味、並べ方などを多角的に勉強する。

「今は実践授業も終わり、週に1回プロクラスの総合ゼミに通っています。こちらのクラスは実際に占い師として活動している人たちが、自分の学んだ占術を複合的に使って、サンプラーの鑑定をしながら、ブラッシュアップしていくものです」

南方さんはすでにプロの占い師としてデビューをしているが、実践の場はまだ少ない。自分が勉強したことを試してみる場として、このゼミは非常にいいチャレンジの場になっているという。

最初はちんぷんかんぷんだった

3年半ほどアカデメイア・カレッジに通っているという雅彩(まあさ)さんも、すでに占い師として活動をしているが、勉強も続けている。占いにまだ興味がなかった頃、ふとみてもらったら過去のことがほぼ当たっていて驚いたという。

「それで自分でも勉強してみようかと思い、学校に通ってみることにしました。私は東洋系の命術、四柱推命と九星を勉強しているのですが、最初はちんぷんかんぷん。占いに行かれたことがある人はご存じかもしれませんが、四柱推命の占い師は『万年暦』という複雑な暦が書かれた本を使います。これを読み解く勉強をするのですが、挫折しそうになるほど大変でした」

四柱推命を習っているという、雅彩さん(撮影:尾形 文繁)

アカデメイア・カレッジは、1998年創立で、これまで1000人以上の占い師を育成してきた。生徒の8割は女性で、主婦、自営業、接客業、会社員などバックグラウンドはさまざま。看護師が本業という人も多いという。

生徒数は、雇用が不安定な社会になるとやや増加するが、コロナ禍においては授業数が減ったこともあり、横ばいだ。しかし、今後増える可能性はあると、カレッジの学校長を務める森信彰雄さんは見る。ここ数年は年約200人が新規で入学し、認定試験まで進むが、プロになるのはその2~3割だ。

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