キャンピングカー業界がコロナ特需を喜べない訳 レンタル需要が増えても売上が伸び悩む理由は

拡大
縮小
北米で2番目のレンタルキャンピングカーブランド「エルモンテRV(EL MONTE RV)」。そのブランドを日本で展開しているのが「エルモンテRVジャパン」となる(筆者撮影)

余談だが、かつて筆者は、アメリカ西海岸で27フィートの巨大キャンピングカーをレンタルし、取材旅行を行った経験がある。その際、レンタルを検討した企業のひとつがエルモンテRVだった。結局は、料金面や手配を依頼した国内旅行会社の提携関係などで、同じく大手のクルーズアメリカを選んだが、エルモンテRVのロゴが入ったレンタル車両は、国立公園などの取材先でたびたび目にした。キャンピングカー先進国の北米では、レンタカーの需要も予想以上に高く、なかでもエルモンテRVは、メジャーどころの1社である。

現在は格安航空券予約でもおなじみ「エアトリ」の子会社インバウンドプラットフォームの傘下でレンタルキャンピングカー事業を展開(筆者撮影)

エルモンテRVジャパンは、そういった北米の有名企業とライセンス契約を結び、日本で同じブランド名を使用してレンタルキャンピングカー事業を行っている。もともとは、10年以上前に代表の武原氏が個人で開業し、5年前に法人化したが、現在はエアトリの子会社インバウンドプラットフォームに吸収され、同社傘下の事業部として活動している。

エルモンテRVジャパンのサービス概要

エルモンテRVジャパンでレンタルしているキャンピングカー「クレソンジャーニー エボライト」の外観(筆者撮影)

エルモンテRVジャパンの特徴は、キャブコン(キャブコンバージョン)と呼ばれる本格的キャンピングカーをレンタルできることだ。イベントのブースにも展示された、国内メーカー大手のナッツRVが手掛けた「クレソンジャーニー エボライト」など22台を揃える。いずれも車体価格が1000万円近い高級モデルばかりだ。

クレソンジャーニー エボライトの室内(筆者撮影)

クレソンジャーニー エボライトは、キャンピングカーのベース専用シャーシであるトヨタ「カムロード」に、運転席以外のキャビン部を架装したモデルだ。室内中央部には、テーブルとソファを備えたダイニング、キッチンなどを配置。後部には2段ベッドを備え、前方上部にはバンクベッドと呼ばれる就寝スペースも確保する。

独自の給電システム「エボライト」も搭載(筆者撮影)

また、大容量のリチウムイオンバッテリーを採用した独自の給電システム「エボライト」も搭載。就寝時にエンジンを停めた状態でも、家庭用エアコンが8時間程度使えるなど、充実の装備を誇る。なお、乗車定員は7名、就寝人数は6名だ。エルモンテRVジャパンでは、ほかにも同様の仕様を持つ「クレソンボヤージュ エボライト」も用意する。

次ページ気になるキャンピングカーのレンタル料金は?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT