新築マンションがここまで高くなった「真の理由」 コロナ禍で家という空間への考え方も激変した

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縮小

実は、縮小したマーケットの中で、メジャー7などのプレーヤーが相手にしている顧客は、一般庶民というよりも「お金持ち」です。

結論を言います。最近の新築マンション価格が上昇しているのは、表面的には土地代が上がっているだとか、建物の建築費が上昇傾向にあるなどと分析、説明されますが、本質は違います。供給側が客を選んでいるのです。

8000万円を超えるような物件を喜んで買っている顧客のプロフィールは次の4つです。①富裕層、②国内外の投資家、③高齢富裕層の相続対策、④夫婦ともが上場企業に勤務するパワーカップル、以上です。

マンションは、中古が第一の選択肢に?

中古マンションの成約件数は常に新築マンションの供給戸数を上回って推移していて、いまやマンションは中古で買うのが当たり前の時代が到来しました。

以前は中古マンションというと、安普請というイメージがあって、設備仕様が古く、建物の構造軀体にも問題が多い、というのが定説でしたが、今では中古マンションのほうが新築よりもいい仕様のものも多くなってきています。

マンションは土地を取得してから建物竣工、引き渡しまでに1年半から2年程度かかります。分譲時の景気動向などに影響されて、設備仕様を安いものに変更する、間取りを小さくするなど商品内容は時代によってまちまちです。築30年以上経過していますが、平成初期の平成バブル仕様のマンションには、現代でも驚くほどよい仕様のマンションがあります。

また当然ですが、中古マンションは新築に比べれば一般的には価格は安くなります。同じ立地にあるマンションで価格が1割から2割安ければ、築年があまり古くないのであれば、これはお買い得です。

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