日本郵船の株主総会で工藤社長は大型バラ積み船の積極投資に突然言及。名誉会長職への疑問が飛び出したほか、社外取締役2人の発言も。挙手による採決は即時却下

日本郵船の株主総会で工藤社長は大型バラ積み船の積極投資に突然言及。名誉会長職への疑問が飛び出したほか、社外取締役2人の発言も。挙手による採決は即時却下

日本郵船は6月23日、株主総会を開いた。678人の株主が来場。1時間59分を要した。8人の株主が会場で、1人の個人投資家が書面で質問した。業績説明ではこれまでIRの説明で出てこなかった点がいくつか明らかとなった。(1)アジア航路の定期船子会社・東京船舶の赤字(2)定期船子会社の日之出郵船が減収ながら利益確保(3)曳船を含むターミナル事業が減収減益(4)客船事業はクリスタルクルーズが北米で最高の評価を得た一方、豪華客船「飛鳥」が台風の影響で販売が減少。事業全体では減収となり損失を計上したことなど。

工藤泰三(やすみ)社長(=写真=)は質疑応答に先立ち商船三井との格差を問う事前質問状を読み上げ、「不定期船部門で約300億円の部門経常益の差があることや、NCA(日本貨物航空)が約150億円の損失となった2つが主因」との分析を披瀝。「NCAは黒字化が見えているほか、不定期船部門の収益力格差は大型船の船隊格差が大きい。積極投資で挽回していきます」と公言した。工藤社長はNCAの今期経常赤字額見通しを「300億円」と言い間違えた後、事務局らしき者からの指摘を受け「30億円弱」と言い直した。

工藤社長は2月18日の東洋経済のインタビューで、「ケープサイズ(=大型船のこと)は結構な数をすでに発注済みだから焦って造ることはない」と大型船への積極投資に否定的なコメントをした。このことは「週刊東洋経済」5月1日-8日合併号に掲載。「東洋経済オンライン」にも5月18日にアップした。商船三井を上回る大型船の投資計画は株主総会が開催された6月23日段階も、現時点も公表されていない。社長就任後初の昨年の株主総会で工藤社長は、商船三井との収益力格差を聞かれ「本当に口惜しい」と述べたが、その後インタビューで真意を聞いたところ、「株主の手前、そう言うしかないんですよ」と答えた。今回の唐突とも取れる「積極投資で挽回」発言も「総会での方便」だった可能性がある。

元社長・会長の根本二郎名誉会長の位置づけなども事前質問があった。工藤社長は「相談役と異なるものではなく、大所高所からアドバイスをいただいている。日本経団連会長、中東協力センター会長などを務められた根本氏に海外での人脈確保をしてもらうために相談役ではなく名誉会長の肩書きを使用いただいた。出張費は適法・適正に利用いただいている。個別開示は適正ではない」とした。役員交際費は「3割以上を削減した」と回答した。

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