疲れ抜けず悩む人に急増「主食抜きすぎ」の大問題 食事内容を「見える化」すれば改善策を打てる

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基本的に摂取するエネルギーが減ると、体は筋肉を分解してでもエネルギーを得ようとするため、代謝が落ちていきます。そうして筋肉量が減ると、さらに代謝が落ちてしまう。特に40歳以降はなにもしなくても筋肉量が落ちていくので、食べないのはとてももったいない行動ともいえます。

また、食事の9マスリストと1日の行動を併せて見ることで、「朝食を食べた日は暴飲暴食していない」「昼をサラダだけにするより、しっかり食べたほうが夕食を食べすぎずかえってやせている」というように、自分にとっての快適な量や食事のタイミングがわかるようになります。

摂食行動の乱れがストレスの原因と気づかせてくれることもあり、生活全般の立て直しにもつながるはずです。

経営者たちが例外なく食事に気を使う理由

私は、仕事で経営者の人たちに会う機会もたくさんありますが、みなさん、例外なく食事に気を使っています。そこで「なぜ食事に気を使うのですか?」と聞くと、「え、どうしてそんなことを聞くの?」というくらいの勢いで、「パフォーマンスが上がるから」と答えます。そして、忙しさを理由に食べない人はまずいません。忙しいことがわかっているからこそ、事前に対策を考え、5分でも時間を捻出しようとしています。

食事に気を使ったり、パーソナルトレーナーをつけて運動したりする生活は、「お金にゆとりがあるから」できると思われるかもしれません。でも、充電がしっかりできているからこそ、第一線で活躍できるだけのエネルギーがあるともいえます。

私は、このようなライフスタイルは一部の特別な人たちのためにあるのではなく、人生をよりよくしたいと望むすべての人たちのためにあるのだと考えています。少しの意識や投資で、それまでより高いパフォーマンスを出せるようになる、万人にとって大きなメリットが得られるものだと感じます。もちろん健康的な生活を優先すればするほど、慢性疾患や過度なストレスなどのリスクは必ず低下します。

そのためにも、これからは食事を軽んじるのはやめましょう。「食べすぎ」と同じように、「食べなすぎ」もよくありません。食事の乱れはほかのさまざまな乱れにつながっていくので、食事の9マスリストのすべてのマスがしっかり埋まっているかを基準に、食事内容をチェックするのをおすすめします。

一方で、毎食しっかり9マスを埋めることを考えるのがストレスになっては元も子もありません。食事は生活の一部ですから頑張り続けないことも大切。食事コンサルでも、「いまは頑張らずに休んでください」と惣菜の買い方の話だけに終始することもあります。ただし、「いつも気にしない」のと「今日は食事のことを考えるのは休もう」というのは大違いだということを、ぜひ意識してほしいと思います。

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