【産業天気図・工作機械】アジア活況もユーロ安武器にドイツ勢が壁、終始「曇り」止まりか

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10年4月~9月 10年10月~11年3月

2009年度は世界同時不況で主要企業が軒並み減益・大赤字に陥った工作機械業界。09年秋から受注は外需主導で回復基調にあるが、ドイツ勢との価格競争が本格回復を阻んでいる。10年4月から1年間通じて、「曇り」止まりの景況感となりそうだ。

日本工作機械工業会(日工会)によると5月単月の受注額は806億円。前月比では0.2%減と足踏みながら、前年同月比では約3倍だ。

内訳を見ると内需は同2.3倍の287億円、外需は3.4倍の520億円。外需比率は64.4%と引き続き高水準で、特に最大の工作機械需要国・中国を核としたアジアからの受注が4.5倍の317億円と、受注全体の4割を占めている。

1~5月の受注累計額は同比3.2倍の3572億円。仮に4、5月と続いた800億円台ペースが今後も維持できれば「年間8500億円程度も考えられる」と日工会の中村健一会長は話す。年初示した5500億~6500億円との年間見通し超過の可能性を示唆する。

中国については金融引き締め等を警戒する声が一部にあるが、中村会長は中国政府による景気の調整の影響は見られないとした上で、「まだまだ設備投資は増えていく感触。依然、過熱ぎみで進んでいる」としている。

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