「年間15億円の損失」でも「ムダな会議」を開く理由 アマゾン流「不要な会議&会議のムダ」撲滅術

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重要なのは、会議をすること自体が目的ではない、ということだ。集まって「何もなかったけど、頑張ろう」と言って別れるのは、会議ではなく、ただの茶飲み話。そこを認識し、つねに流動的に考えて、キャンセルもできるという企業文化を育んでいくことが大切だ。

必須出席と任意出席を分けよ

日本企業には、会議の場で実際に必要な人は2~3人であるのに、会議室に10数人がずらりと雁首を並べて出席する、という不思議な文化を持つところが少なくない。

関係のない人が出席すると、その人の時間が奪われるうえに、本筋とずれた議論で場が荒れたり、初見の出席者に説明するための会議になってしまったりするなど、とにかくムダが増える。

成熟度の低い会議のオーナーは、「とりあえず関係しそうな人は全員呼んでおこう」という予防策を取りがちだ。だが、自分がやろうとしていることをきちんと理解し、誰を呼べば必要な議論ができるのかをしっかり考えられることが、実力でもある。

アマゾンでは、オーナーが会議の招集をする際に、絶対に出席してほしい「必須出席者」と、そうでない「任意出席者」を必ず分けているという。

たとえば、その人がいないと現場の状況がわからないような場合は必須出席とし、その人が欠席する場合は、必ず当人が代理人を立てる。そして、基本的には出席しなくてもいいが、自分で必要性を感じたり、何か言いたいことがある場合は任意出席とする。

このように分けておけば、任意出席者に対しては、時間を奪うことなく「こういう会議を行いますよ」という周知もできるし、呼ぶ必要はないが、一応お知らせをしておきたいという上司に対しても、任意出席者に入れておくことで配慮を示すこともできるので便利だ。

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