「団塊の世代」の年金は維持できるか--「失われた20年」と年金の危機

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右肩上がり経済どころか、経済の低迷打開がなされておらず、悪循環が進行するばかりだ。

ある大手証券に勤務していた団塊の世代のBさんは、「国の危機管理能力がひどすぎる」と怒りを込めて話す。

「団塊の世代が年金受給者になったときに、年金が構造的に危機に陥るのは以前からわかりきっていることなのに国は何もしてこなかった」

地に水が行き渡れば、問題の多くが片付くことになる。

国が、経済の右肩上がりモデルを構築することが求められるのだが、国は無能ぶりをさらしてきた。にっちもさっちもいかない。地に水が広がらない。

団塊の世代の年金問題ひとつを取っても、経済の舵取りの重要性が人々の命運を大きく左右することがわかる。

日本は、「失われた10年」に続いて、さらにその後10年の経済低迷に見舞われている。合計20年、日本経済の「失われた20年」を徹底して解明すべきである。そうした日本経済の体質を問うべきではないか。

--なぜ、20年も経済低迷となったのか。なぜ、経済低迷を打開できないのか。

日本経済の長期低迷の原因を徹底して解明し糾問すれば「戦犯」も明らかになるだろうが、それを避けてはならない。カドが立とうが、日本経済のどこが根本的に問題なのかを明らかにして、根底から問題を解決すべきだろう。

徹底解明がなく、またまた曖昧に進むなら、「失われた20年」は、間違いなく「失われた30年」になる。

いまのままで流れれば、「失われた30年」コースになるのはほぼ確実ではないか。
(東洋経済HRオンライン編集部)

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