【日銀新副総裁・総裁代行就任会見】「足元の情勢だけでなく、少し長い眼で見て物価の安定、持続的な成長の維持を考えるべき」

【日銀新副総裁・総裁代行就任会見】「足元の情勢だけでなく、少し長い眼で見て物価の安定、持続的な成長の維持を考えるべき」

21日、日本銀行の副総裁に就任した白川方明氏、西村清彦氏が揃って会見した。

総裁空席、という事態を受けて総裁代行に就任した白川氏は、「国際金融市場の動揺に対応するのが最優先課題。同時に、今回の経験も踏まえてマクロの金融政策や金融システムを巡る政策や制度のあり方についてどのような教訓を引き出すべきか、しっかり考える。リスク点検の体制を強化していく。個別金融機関のリスク管理も重要だが、金融市場のどこにリスクが蓄積され、それが金融システムの安定にどのような影響を与えていくか、ミクロ・マクロ含めてしっかりやっていきたい。また、金融機関や市場参加者と密接な意見交換を行い、現在起きていることについて、感覚のズレが生じることの無いようにしたい」と抱負を述べた。

また、「日本銀行の機能は他にも銀行券の円滑な決済や決済システムの安定的な運行など日々の業務の力で支えられている。中央銀行は銀行であり、その基礎は業務にあるというのが私の強い信念。行員一人一人が中央銀行員としての誇りを持ち、専門的な力を発揮できるようにしていきたい。新しい目で組織の効率化活性化をはかっていきたい」と日銀出身者らしい発言もあった。

総裁不在という異例の事態のなかでの代行就任となったことについては、「経済や金融には1日の休みも無く、日本銀行の業務が滞ることはいかなる意味でも許されない。総裁が任命されるまでの間、日本銀行の運営を預かるものとしてしっかり職責を果たしていきたい」と話した。

G7への対応で支障は出ないのか、との質問に対しては、「総裁がいない場合を前提とした質問に答えるのは適切でない」として回答を避けた。また、総裁を決定できなかった政治の責任についてもコメントを避け、「そういう異例の事態の中で、結果として日本の経済金融、世界の経済金融に悪影響を与えてはならないということで、しっかりとやっていく」と答えるにとどまった。

また、政策決定会合のメンバーが2人欠けることについて、意見の多様性の観点から問題はないか、との問いには、「何人が最適かは海外を見ても異なるので一般論としては言えないが、今までの経験から9名で議論するのは非常に意味のあることと思っているので、早く通常の状態になることが望ましいと思う」と答えた。

今後の金融調節、金利政策についての取り組みに関する質問に対しては、「日本銀行で働くことの一番大きな魅力は、経済、金融に関して入ってくるミクロ・マクロのさまざまな情報を、さまざまな角度から分析していくことだと思う。その具体的な魅力にまだ、直接接していないので、少し一般的なことにならざるをえないが」と断ったうえで、以下のように述べた。

「1つは、金融政策の効果が波及するためには非常に長い時間がかかるので、足元の経済の情勢は大事だが、少し長い眼で見て物価の安定、持続的な成長が維持されるのかを考えることが非常に大事だと思う。2つ目は、経済が変化するときには、上にも下にも非常に大きく変化をするので、常に予断を持ってはならず、いろんな情報を集めて、その意味を考えて、不確実性に満ち満ちた中で、最後は判断をしなくてはならない。3つ目は日本のバブル崩壊、最近の米国のサブプライム(信用力の低い個人向け住宅融資)問題を考えてみると、改めて、資産価格と実体経済には非常に複雑な相互依存関係があり、それがいろんな形で、経済の窮状を引き起こしていると感じる。そのことも踏まえて、さまざまな情報を集めて、次の政策決定会合に望みたい」。
【大崎 明子記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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