ノア、セレナ…ミニバン4モデルの購入者を分析 ガチライバルの比較で見えた意外に違う購入層

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ヴォクシーがほかの車種より高いのは「格好いい」「若々しい」「スポーティな」といった、主に外観・デザインから想起される点である。次にノアにおいて高いのは「親しみやすい」「家庭的な」といった、やわらかい印象に対する評価だ。

セレナは「先進的な」「安全な」「環境に優しい」が他車を上回る。まさにe-POWER、プロパイロットがもたらすイメージである。ステップワゴンは、「高性能・走りの良い」がセレナと同程度に高いが、ライバルを大きく上回るような特徴はあらわれていない。

ユーザーが最後まで悩み検討した車種「最終比較検討車」のランキングも追ってみよう。

ヴォクシーはノア購入者、セレナ購入者から最も比較されており、セレナはステップワゴン購入者から最も比較されている。

また、それ以外の車種においても2位までにランクインしており、「検討の俎上にあがる確率が高い」→「結果として販売台数が増える」という状況になっているといえるだろう。冒頭で紹介した2020年の販売台数ランキングで、ヴォクシーが10位、セレナが11位となっていたことからも、そんな状況が伺える。

3.さらなる深堀り

最後に、弊社が独自開発中の調査データからもう一歩深く、分析をしてみよう。確認する指標は「メーカー再購入意向」である。具体的には「あなたが次回、車を購入するとしたら、次も同じメーカーから購入したいと思いますか?」という質問に対し、「確実に同じメーカーから購入したい」と答える人の割合だ。

結果は上記のとおり、ノア/ヴォクシーがほかを引き離す結果となった。セレナはヴォクシーと販売台数では競り合って入るが、遅れを取っている。

では、なぜこのような差が出たのだろうか。もちろん再購入意向という指標は、メーカーイメージや、ディーラーとユーザーの関係性といったさまざまな要因が影響するものである。では、実際にどのような人が購入しているのか、「顧客構成」のデータを使って見てみよう。

まず購入者を次の5つに分類した。

①新規:初めて自動車を買った人
②2連続リピーター:1つ前の車と同じメーカーから購入した人
③3連続リピーター:1つ前だけでなく2つ前の車も同じメーカーの人
④スイッチ:1つ前の車と違うメーカーから購入した人
⑤出戻り:以前購入したメーカーに戻ってきた人
次ページステップワゴンで「スイッチ」の多さが意味するもの
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