「大金持ち」に近づくための「もっとも身近な方法」 不動産?株式?それともまったく別の手段?

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雑誌『Forbes』が毎年発表する世界の富豪ランキングの最新版を見ると、第1位がアマゾン・ドットコム創業者のジェフ・ベゾス氏、第2位がテスラのイーロン・マスク氏など、上位は軒並み持っている株式の価値が上昇した人だ。日本でも同様で、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長など、保有資産額ランキングの上位には保有株式の評価額上昇によって資産を拡大した人が多い。

国内の長者番付が発表されなくなったので過去との対比は難しいが、大金持ちの主流は、昔は「不動産長者」、今は「株式長者」だと言ってほぼ間違いない。もちろん、長者は株式も土地も両方持っている場合が多いのだが、今日では、その人を長者に押し上げた原動力はほとんどの場合株式だ。大金持ちになりたければ、株式と上手くつきあわなければならない。

起業、上場、ストックオプションで成功する方法

ジェフ・ベゾス氏、孫正義氏クラスの大富豪でなくとも、元々普通の資産と能力の人が、数億円、数十億円クラスの資産家になることはよくある。
起業した会社を株式公開にこぎつけることができて、数十億円クラス以上のお金持ちになるのが一つのパターンだ。

ただし「起業」は、洋の東西を問わず成功の確率や得られる富の期待値などを考えると「経済的に割のいい行為」ではない。それでも起業に挑む人がいることを、かつて経済学者のJ・M・ケインズが訝しんだくらいのものなのだ。

一方、起業しなくても、勤めている会社のストックオプションによって億円単位のお金を手にすることがよくある。筆者の知っているベンチャー起業では、比較的初期に入社して(社員番号が2桁)で社内結婚したご夫婦が、30代半ばで会社を辞めた時に2人合わせて8億円相当の利益が出るストックオプションを行使したという話を聞いたことがある。2人とも、普通の社員で、役員でも部長などの管理職でもない。

また、近年でなくとも、外資系の会社の場合も、ストックオプションを社員に提供するプログラムを持っていて、億円単位の利益を得る社員が出るケースが珍しくない。

将来成長する会社を見極めることは難しいし、それが「できる」という前提で就職活動を行うべきではないが、上場手前の新興企業あるいは、上場後間もないくらいのステージの企業に就職する場合、自社株に対して、どのような権利を持つことができるのかをよく確認して入社を決めることが大事だ。

ベンチャー企業に就職する場合、圧倒的に一番重要なのは社長との相性だろうが、株式に関する権利とその条件はその次くらいに重要な要素なので、就活生や転職を考えているビジネスパーソンは頭に入れておこう。

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