今のうちに行っておきたい新橋「シブいビル」2選 「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」の来歴

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ビルを取り巻く烏森一帯には、1960-70年代築の小規模な飲食ビルが建て込んでいる。その一画にあるのが烏森神社。こちらの社殿はニュー新橋ビルと同じく1971年に竣工したというコンクリート造のモダンな建物。駅前のSL広場の機関車は鉄道100年を記念して1972年に設置されたというから、今から約50年前、1970年代初頭の新橋駅西口では街並みの大変革が起きていたことになる。

烏森神社では近年参道の整備が進んでいる。参拝者がひっきりなしに訪れていた(写真:筆者撮影)

再開発の具体的なメドは立たず

新橋駅西口の再開発準備組合が発足したのは2016年のこと。対象区域はSL広場とニュー新橋ビル、柳通り、ビル南側の桜田公園や生涯学習センターなどのある2.8haの区域。開発の事業協力者は野村不動産とNTT都市開発ということだ。組合には、ニュー新橋ビルの区分所有者や地権者の約3分の2が加入しているという。しかし2016年に以上の内容が報じられて以降、新たなニュースはない。

ニュー新橋ビル南側の区画と西側の柳通りも、再開発地区に含まれている(写真:筆者撮影)

一見、いつまでもこのニュー新橋ビルとSL広場のある日常が続くようにも思えるが、水面下でいつの間にか進んでいるというのが大規模再開発というものである。このビル独自の世界観と館内の空気、そして1970年代築のシブいビルの建築としての味わいがいつ突然失われるかわからない。今からじっくり味わっておくことをおすすめする。

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