「スマホの見すぎ」が招く世にも恐ろしい3大弊害 集中力低下、うつ、肥満などデメリットは深刻

拡大
縮小

言うまでもなく、スマホは非常に便利な端末であり、利用しないということは現実的ではない。これまで多くの医師に取材してきたが、「スマホやタブレットを使ってはいけない」という医師はいなかった。どの医師も「長時間利用しすぎると悪影響が出る可能性があるが、時間を制限して利用するなら問題はない」と言っていた。

そもそもスマホは、長く頻繁に利用したくなる誘惑にあふれている。SNSやゲームアプリには、通知、人間関係、時間での体力回復、毎日のログインボーナスなど、頻繁に利用したくなるような、利用を習慣化するような仕組みが多数ある。そのようなアプリにとっては長く頻繁に利用してもらうことがビジネスにつながるためだ。

長時間利用を抑える「3つの対策法」

ご紹介したような副作用を考えると、スマホの利用時間はコントロールするべきだろう。

スマホの利用時間をコントロールするためには、iOS端末ならスクリーンタイム機能、Android端末ならデジタルウェルビーイング機能を使えば可能である。自分の利用時間の長さを確認し、アプリごとや一日の利用時間、利用しない時間帯などを設定するとコントロールしやすくなるはずだ。

そのほか、そもそも使うアプリを整理したり、通知をオフにしたり、バイブレーションをオフにすることでも、利用を抑えられるだろう。目覚まし時計代わりに使う人は多いので、目覚まし時計を手に入れて枕元にスマホを置かないようにするというのも良い方法だ。

子どもの場合、スマホ以外に夢中になれること、やることがあるとスマホから離れられるはずだ。習い事や部活動、塾など、場を変えたり夢中になれることがあるといい。保護者がスマホを預かったり、スマホを置いて外出する機会を設けたりしてもいいだろう。この機会に利用時間をうまくコントロールし、使いこなしていただければ幸いだ。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT