9割の日本人が驚愕「これがアフリカなのか!」 新幹線、テックベンチャー、巨大プロジェクト…

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例えば、モバイルマネー。ケニアでは、ケータイにチャージした通話料が、通貨のようにやりとりできます。これは「M-PESA」というサービスで、チャージした金額を送金できますし、ほとんどの店で支払いに利用できます。

さらにそれで預金もできるし、ローンも組めます。現金を使う必要がない。その年間の取引総額は4兆〜5兆円規模で、ケニアのGDPの半分弱にあたる規模です。

ナイジェリアでは、「西アフリカにドバイを造る」という壮大なプロジェクトが進行しています。首都に隣接した、東京の千代田区ほどの広さ(約1000ha)の遠浅の海が埋め立てられ、経済特区として無税・無関税となっています。今後、住宅やオフィス、ホテルやショッピングセンターなどが造られる計画です。

すでに第1期の埋め立ては終わっており、上物は1割程度が完成しています。埋め立ての造成予算は日本円で約2000億円。この巨大プロジェクトに日本企業はまったく関わっていません。本当に残念です。

中国人は100万人、日本人は7500人

アフリカといえば、中国が経済的にも政治的にも、多くの国に深く食い込んでいることをご存じの方も多いと思います。実際、そのとおりです。正確な統計はありませんが、約100万人もの中国人が、アフリカにいると言われています。日本人は約7500人(新型コロナ流行前、外務省統計)です。

しかし、中国の投資はエネルギーやインフラが中心で、日本にもまだまだたくさんのチャンスがあります。それをぜひ知ってもらいたい、と思っています。

アフリカ人は、日本とは歴史的なわだかまりがまったくありませんから、日本人をとてもウェルカムしてくれます。一貫してJICAやODAで支援をしてきており、一定のプレゼンスはあります。

さらにトヨタのような、いい商品としての認識や、ハイテクな国というイメージもあります。ただ、彼らは日本人にはほとんど会ったことがない。

日本人の側も、きちんと起きていることを知れば、アフリカのイメージがきっと一変します。アフリカは、かつて日本や中国、インドが歩んできた道を、加速度をつけて突き進んでいるのです。最先端のテックビジネスが社会実装され、近未来のビジネス地図がまさに今、書き換えられようとしています。本当のアフリカの姿を知ってほしいのです。

●問題の解答
問1 「ナイロビ新幹線」のナイロビ─モンバサ間の距離は?
③470㎞(東京─京都相当)
問2 ケニアの普通のOLが髪にかける費用は日本円でいくら?
③月額5000円~1万円
問3 ナイジェリア最大級の開発プロジェクトの規模は?
③東京都千代田区のサイズの土地を埋め立てて創出(約1000ha)
椿 進 AAIC代表パートナー

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つばき すすむ / Susumu Tsubaki

Asia Africa Investment and Consulting(AAIC)代表パートナーを務めるアジア・アフリカビジネスのスペシャリスト。東京大学教養学部卒業。ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナー・マネージングダイレクターとして、事業戦略、M&A戦略のプロジェクトを実施。2008年に現AAICを創業し、代表パートナーに就任。中国・東南アジア・インド・中東・アフリカ等で、新規事業育成、市場参入支援等をコンサルティングと投資を通じて実施。日本初のアフリカ・ファンドも運用。ルワンダではマカデミアナッツ農園も手がけている。執筆、講演多数。ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学大学院教授として後進の育成にも力を注いでいる。

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