社長・前田敦子が語る「私と仕事とお金と子育て」 「日々成長していくわが子に負けていられない」

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――トップスターの方は意外としっかりそのつど検証して次につなげるなど、地道な努力もされていますよね。

自分の欲に正直に向き合っている人は多いかもしれないですよね。「◯◯がしたい」「じゃあどうする?」みたいに。少なくとも私は、いつも自分自身と相談しているかもしれないです。

NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』(東京公演:5月24日(月)〜7月11日(日)東京芸術劇場プレイハウス、大阪公演:7月15日(木)〜25日(日)新歌舞伎座)。前田敦子さんも出演する

――自分の欲にちゃんと正直に向き合うっていいですね。

はい。なんでも見て見ぬふりしてはいけないと思います。

――今、前田さんの抱いている欲望はなんですか。

子育てをちゃんとしながら、自分もお仕事でいかに頑張れるか。そのための最適な環境をどうやったらつくれるか。これは今の私のテーマですね。どちらも諦めたくないですし、どちらかを犠牲にしてはいけないものですし、むしろ、相互に影響し合うことで、私にはプラスになっています。日々成長していく子どもの姿を見ていると負けていられないと思っちゃうんですよ(笑)。「なに? 今日そんなことできるようになったの?」「じゃあ私も頑張るね!」みたいな感じで(笑)

子どものおかげで元気

――もしかしたらお母さんになる前よりももっとパワフルになっちゃっていませんか?

だと思います。「私、なんでこんな元気なんだろう」と今、感じますよ。それはやはり子どものおかげですね。子どもってすごく体力があって、それを全開にして前のめりに生きている。「やりたいものはやりたい!」と本能のみで生きている姿は素敵だなと刺激になります。

――子どもを職場に連れていくことはありますか。

はい。たまに。最近、保育園に行き始めましたが、それまでは仕事に連れて行くこともありました。今度、出演するNODA・MAP『フェイクスピア』の宣伝ビジュアル撮影の時はスタジオに連れて行きました。そのとき、忘れられないことがあったんですよ。

野田秀樹さんと写真家の篠山紀信さんがふたり並んで、子どもを眺めながら「いいねえ……」なんて言って和んでくださっていたんです。日本を代表する巨匠ふたりが私の子どもをはさんで並んで見ているなんて、絶対、忘れられないことです。この貴重な光景を目に焼き付けようとガン見しちゃいました(笑)。

**
困難になると燃えると言う前田敦子さん。ひとつずつクリアしていくことに喜びを覚えていることが手にとるように伝わってきました。子どもの純粋な前向きなエネルギーに刺激を受けているという前田さん。素直に屈託なく答える姿は子どもの心を失っていない気がして、いつまでも成長する気持ちが人を輝かせると思わされました。
後編につづく(5月23日公開予定)
木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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