ジャガーを手放してわかった昨今の中古車事情 1年7000kmも走ったのに30万円高の値がついた

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都市圏の輸入ブランドの認定中古車センターには、在庫がなくなりガラガラになったという話も耳にした。大手中古車ポータルが自動的に表示する自分のクルマの査定価格は継続的にチェックしていたのだが、気づけば、2カ月半前に比べておよそ50万円も上がっていた。

結局、筆者は2020年11月のアメリカ大統領選挙の少し前のタイミングでお気に入りだったジャガーを手放し、ちょうど1年前に買った値段より高く売った。その過程で、最近の中古車売却事情はこういうことになっているのか! という気付きが多かったので、顛末を紹介する。読者の方々にとっても自動車を手放すときの参考になるはずだ。

インターネットで買取各社の一括査定

多くの人はクルマを手放すとき、それが新車でも中古車でも、次のクルマを買ったお店に前のクルマを買い取ってもらうのではないだろうか。いわゆる「下取り」である。しかしこれは必ずしも高く売れるやり方ではない。競合がいないからだ。相見積もり、通称アイミツにならない。

インターネット検索で「車 買取」と入力すると、さまざまなサイトが出てくる。私が使ったのは「中古車売却ポータル」と呼ばれるものだ。クルマ買取業者がたくさん登録されており、車名や年式、走行距離といった査定に必要な要件を一度入力するだけで、いくつもの買取業者に情報が行き渡るシステムになっている。

入力を完了して1秒も経たずに電話が鳴ったことにまず驚いた。自動ダイヤルシステムで電話をかけてきて、その先にはオペレーターが待ち構えているらしい。その後も通話中含め買取業者から相次いで電話がかかってきた。5分以内に5件、10分以内に掛け直しも含めて17回も電話が鳴った。

このうち6業者に実際にクルマを見せて査定してもらうことを決め、スケジュールの合う5業者には同じ日の同じ時間にジャガーを検分してもらうことにした。「絵に描いたような競合のほうが一般的に高値は出る」とある買取業者も認めていたからだ。逆に、他の業者と一緒に査定することを嫌がる業者もいた。

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