遠隔ワーク熟練者に学ぶ「家で超快適に働く技」 「空間」と「時間」の使い方で差がつく

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特に注意しなければいけないのが、個人の情報発信です。SNSで流れてくるものは、あえて人目を引くように書かれたものが多く、しばしば事実と意見が混同しているし、あえて偏った情報だけを取り上げているものも少なくありません。気をつけていても、「時間の使い方」は本当に難しいと日々感じています。

例えば、FacebookやTwitterは、どちらも「ついつい長い時間滞在してしまう」ことを目指して最適化されているため、そこで思わぬ時間を取られてしまうことはしばしばです。そんな状況の中で大切なことは、「現時点で、自分にとって何が一番大切なのか」を強く意識して時間を使うことだと思います。

できるだけソースに近いところで情報を入手

私の場合、パソコンの前に座っているときは、基本的にはソフトウェアの開発をしているか、メルマガを執筆している(もしくはメルマガのための情報を集めている)べきなので、それ以外の時間(Facebookで目に留まった、面白そうな記事をついうっかり読んでしまう)を最低限にするように努力しています。

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ちなみに、情報に関しては、できるだけソースに近いところで情報を入手して、自分の頭で考えて判断することが大切だと思います。特に最近は、SNSのアルゴリズムのために、尖った情報や偏った意見を目にすることが増えたので、そのノイズを意識的に除去することが大切です。

情報を集めるための良いツールが欲しいと思って、探しているし、自分でも作ったりしたこともありましたが、結局のところは、「自分自身に対するメール」が最も手軽で有効な手段となっています。

私の場合、何か別のことをしている過程で面白そうな記事に出会うと、それをメールで自分自身に送るようにしていますが、その手法が便利な理由は、

・どのデバイスからでも、特別なツールを使わずに手軽にできる
・どのデバイスからでも、特別なツールを使わずにその情報にアクセスできる
・情報は時系列(新しい順)で並んでいる
・古い情報を整理する必要がない(消さずに放置しています)
・未読・既読が明確で、フラグをつけることができる
・後から検索もできる

の6点です。「特別なツールを使わずに」という点が結構重要なのです。

中島 聡 Singularity Society代表

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なかじま さとし / Satoshi Nakajima

1960年生まれ。米国シアトル在住。早稲田大学大学院理工学研究科修了。米ワシントン大学でMBAを取得。早稲田大学大学院修了後、NTTの電気通信研究所に入社し、わずか1年で設立間もないマイクロソフト日本法人へ転職。3年後、米国本社へ移り、Windows 95、Windows98、Internet Explorer 3.0/4.0のチーフアーキテクトなどを務めた。現在は、シンギュラリティ・ソサエティ(2018年8月設立)代表理事としてAI時代をリードできる人材育成に取り組む。著書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(文響社)。

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