北朝鮮「オリンピック不参加」の裏にある悲惨 関係者や脱北者が語る国民が置かれた状況

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国連の専門家パネルの報告書によると、同政府はそうした行動をとる代わりに、誇示することが目的の病院を平壌に建設するといった「無用の長物」のプロジェクトに注力しているという。

先月発表された国連の報告書によると、「どうやら建物の竣工についての包括的な計画さえ用意されないまま建設が開始されたようだ。政治的に定められた無理な期限に間に合わせようと建設は大急ぎで行われた(が、間に合わなかった)。しかも、政府は病院の運営に必要な設備や備品・消耗品を確保することなく建設をスタートさせた」。

出稼ぎ労働者からの資金も断たれた

「史上最悪」の状況の裏には、とりわけ2017年以降に国連安全保障理事会がより広範な制限を課すようになって以来の、国際的な制裁の影響がある。北朝鮮高官として世界規模の資金獲得オペレーションに深くかかわってきた最近の脱北者によると、それらの制裁は実際、驚くほど効果的だという。

いくつかのアフリカ諸国は、長年北朝鮮の武器を購入し、医師、技師、建設労働者などの労働力を雇用していたが、2017年後半に始まった国連の圧力によって北朝鮮との関係を断った。ナミビア、ウガンダ、アンゴラ、ギニアといった国は、欧米の圧力によって北朝鮮へのこうした資金の流れを遮断し、これを裏切り行為とみなした金正恩を激怒させたことを、先の元高官が最近、アメリカの専門家小グループに明らかにした。

国連制裁によって、ロシアやペルシア湾岸諸国に送り込まれていた何千、何万人もの北朝鮮人労働者からの収入の流れが断ち切られた。先の脱北高官によると、稼いだ額の大半を政府に吸い上げられていた約3万5000人のそうした労働者が、過去2、3年に国を立ち去った。建設現場や工場で、さらには調理師やレストラン従業員として雇われていた人たちだ。

北朝鮮への送金は、手の込んだ媒介組織を通じてなされ、資金は電信で中国の両替所に送られ、ハードカレンシーに両替されて北朝鮮に移された。北朝鮮はその資金をミサイル・核計画や、体制の威信のための凝ったスキーリゾートなどのプロジェクトに使用していた。

先の脱北高官が専門家に語ったところでは、「そのすべての資金は金正恩のものになり、彼が適切と判断するとおりに使用される。これがあの国のシステムだ」。
同高官は、制裁は効いていると考えている。「北朝鮮は破産寸前だ。このままでは、体制はもたなくなると思う」。

ただしこれは、信頼できる崩壊予想というよりは脱北者の願望の表れである可能性がある。北朝鮮政府は生き延びるための別の方策を見つけ出しているからだ。

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