リモート面接で落ちる「残念な就活生」の特徴 カンペ・準備不足は当然、練習のしすぎもNG

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多くの学生は就職ガイダンスに出席して就活で準備すべきことを教わる。面接についても心構えや話し方、そして想定質疑を学んでいるはずだ。熱心な学生は模擬面接を繰り返して面接の精度を高めてきたはずだ。

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しかし、そういう準備が裏目に出ることがある。過剰な練習によって画一的な反応しかできなくなってしまうのだ。

「事前に受けたであろう面接訓練どおりの対応が目立つ」(サービス・301~1000人)

「完璧に練習をして型にはまった回答しかできない学生」(メーカー・1001人以上)

「自身の言葉で語っていない。回答が表層的で、どこの会社でも使える回答内容」(サービス・301~1000人)

「覇気のなさ」指摘する声

評価の低い学生を形容する言葉で最も多いのは「覇気がない」だ。たくさんの面接官がこの言葉を使っている。

「前向きな姿勢がない、覇気がない、質問内容の意図を理解していない回答、質問への回答が単発」(メーカー・1001人以上)

「覇気がない、自信がない」(メーカー・1001人以上)

「端的に答えすぎて追加情報がない。覇気がない」(メーカー・301~1000人)

ほかにもいろんな形容句がある。「笑顔がない」「表情がない」「元気がない」「意欲がない」「自分の言葉がない」「清潔感がない」。もちろんこういう「ないない尽くし」以外でもマイナス評価になる動作や言動がある。

「評価が低い学生」に対する面接官のコメントは、要するに悪口、批判なので、読むのは気分のいいことではない。しかし、なかには同感できるコメントもある。

次のコメントは大人の言葉でつづられている。学生は卒業して社会人になる。彼らの成長が未来を支える。企業人事の役割は大きいのだ。

「学生の立場で、企業のことを事前に知ることは難しいし、必要でもない。就職はゴールではなく、スタートである。双方に縁があれば成立する。社会人の入り口に立つ学生をどう支援するかが、社会人の先輩である企業人事の役割だと思う」(メーカー・300人以下)

こうした面接官が増えていけば、就活生の面接に対するイメージはかわるかもしれない。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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