「コロナ禍で売れた商品TOP30」最新ランキング 店舗の売れ筋商品はどう変化しているのか?

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この1年間で、極端な動きを見せたものはいくつかある。『鬼滅の刃』のタイアップ製品が発売されたタイミングの玩具菓子、吉村洋文・大阪府知事がうがい薬を推奨した直後のうがい薬、茨城県が感染者ゼロを維持していた当時の納豆など、一時的に伸び率が高まるものがあったのは事実だ。

だが、一貫して高水準の需要が続いたのに、供給が追いつかなくなったために伸び率が落ちたものの代表格が麦芽飲料である。

麦芽飲料といえばネスレのミロ。鉄分やビタミン、カルシウムなどがバランスよく含まれている栄養機能食品で、30カ国以上の国々で販売されている。日本で販売が開始されたのは1973年。発売から50年近くになるロングセラー商品だが、3月頃から需要が伸び始めてはいたものの、爆発的に売れ出したのは7月。ツイッターからブームに火がついた。

瞬く間に生産が追いつかなくなり、9月末にいったん販売を休止。11月16日に再開したが、再度生産が追いつかなくなり、12月8日に再び販売休止宣言を出した。次の再開時期は3月の予定だ。

関心が高まる健康意識

店頭の販売状況を追ってみると、6月29日週は前年比100.1%だったが、翌7月6日週に171.0%にハネ上がり、8月3日週は294.9%に。店頭での品薄状態を反映し、翌週以降は徐々に下落、11月2日週には79.9%まで落ち込んだ。

11月16日に販売が再開されると伸び率は急伸。12月7日週に1000%を超えたが、販売休止とともに急落。12月最終週には42.1%まで落ち込んだ。

ミロが買えないならココアで代替が利くかといえばさにあらず。ミロはココア味に味付けされているだけ。ミロは麦芽から作るがココアはカカオから作る。含まれている栄養素がまったく違う。

ただ、消費者がそのことをよく理解しているのかどうかはわからない。ミロの販売休止期間中、ココアが一時的にではあるが、120~130%程度の伸びを示している。コロナ禍で健康への関心は高まっている。これからも思わぬヒット商品が出現するのかもしれない。

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