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動画サイトこそブランディングだ!

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テレ東プレイとコクヨチャンネルが次に目指すもの

境 治 コピーライター
境 治さかい おさむ
コピーライター
境 治

I&S、フリーランス、ロボット、ビデオプロモーションなどを経て、2013年から再びフリーランス。ブログ「クリエイティブビジネス論」。著書に『テレビは生き残れるのか』。

ブランドコンテンツとは
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ブランドコンテンツとは

ブランドコンテンツは、企業や団体のブランディングをサポートする東洋経済オンラインの企画広告です。

人気番組「モヤモヤさまぁ~ず2」のプロデューサーで、テレビ東京の動画サイト「テレ東プレイ」の監修もしている伊藤隆行氏。コクヨの広報活動の一環として動画サイト「コクヨチャンネル」を立上げ運営してきた佐藤詠美氏。ネット動画の活用において、テレビ局とメーカーでは考え方やスタンスはどう違うのか、お二人に対談していただいた。対談は笑いに包まれながらも、真剣に動画を使ったブランディング戦略が語られることになった。


社員が出るから社風が伝わる

伊藤 コクヨチャンネルを拝見しました。すごく面白くてびっくりです。はじめたきっかけは?

佐藤 2010年に坂本龍一さんのトークイベントをUstream配信したことがあり、動画は面白いな、新しい企業広報ツールとして可能性があるな、効果あるなと感じました。それ以来、虎視眈々とチャンスを狙っていて、2012年6月にようやく具体化できました。当初は動画共有サイトを使っていましたが、閲覧を制限している企業がまだまだ多く、2013年4月からはブライトコーブ社の配信システムを使っています。

伊藤 制作は自分たちで?

佐藤 いえ、シロウトが作っちゃいけないなと思って。クオリティがあってブランドを保てるようなものにしようと、制作会社さんにお願いしています。ネタづくりとか、どの商品で作るかは自分たちで考えてます。

伊藤 「ザ・コクヨGメン」がやっぱり面白くって。この方はタレントさんですか?

佐藤 そうです。ケンキさんといってサンミュージック所属で。

伊藤 サンミュージックならカンニング竹山さんの後輩?

佐藤 いや先輩なんですけど(笑)社員がやるとたどたどしいので、ちゃんと言わなきゃいけない大切な部分はケンキさんに言ってもらって、社員は真面目に商品の特徴だけ言うやり方です。

伊藤 社員の方が出るのは素晴らしいですね。社風が伝わってきます。企業ブランドって動画で伝わるんだなあと。

佐藤 アンケートでも、コクヨの人がしゃべってるから信憑性や信頼性があるって言ってもらえます。

伊藤 企業ブランディングの専門家の方が「敵は社内にいる」と言うんです。社内をまずまとめないと社外に対して企業のブランドは示せない。ぼくも、テレビ東京はこれからこっちへ進むべきだとみんなに伝えるにはどうしたらいいかをよく考えるので、コクヨチャンネルはいい活動をされてると思いました。Gメン以外でおすすめはあります?

佐藤 ぜひお見せしたいのは「コクヨ取説の部屋」という番組。(映像を見せながら)お客様相談室に「商品の使い方がわからない」っていう電話がよくあり、でも口で説明するのは難しい。そこで、使い方を動画にしておく、それだけなんですけどね。でもそのおかげで相談室の人が動画を案内することで問い合わせが解決したり、再生回数だけでは測れない効果が出ていると思います。

伊藤 (PCの画面を見ながら)これですね。え?「椅子の正しい座り方」ですか?

佐藤 快適な座り方です。高さの調節とか。

伊藤 いいタイトルですね。ついついぼく、ふざけたくなっちゃう!悪い例としてぐるぐるぐるーっと回して「これだと目が回ります」とか・・・まずいですよね。

佐藤 あはは、面白い!でも商品をいじるのはなかなか難しいですね。いまのところはGメンがギリギリかなあ。


テレビじゃ見られないテレビをめざす

佐藤 「モヤさま」もネットで配信したそうですね。

伊藤 年に一回「モヤさまアワード」をやっていて、箱根駅伝の裏とか、勝ち目のないところであえて放送してきました。番組のコアなファンが駅伝の往路だったらこっちを見てくれるんじゃないかと。

そもそも8年前のスタート時も「やりたきゃやってみろ」と言われて、駅伝の裏の捨て枠的なところで「みんなで適当に頑張ろう」とはじめたんですね。駅伝の裏は"聖地"だったわけです。敵が強いところで戦わないのがテレビ東京。

佐藤 ああ、時々そういうのありますね、テレ東さんって。

伊藤 時々って言うか・・・それが基本スタンスですから。(笑)
 それが今年は編成が忘れてたのか、枠が出なかった。だったらいっそネットだけでやってみようと。そしたら最初の24時間で50万回、その後の二週間で合計100万回再生されました。

佐藤 えー?!100万回ってすごいですよ。

伊藤 ゆるく作っているのでネットユーザーにはかえって刺さるのではとやってみたらそんなにいって。ここには可能性があるなとみんなで感じていているところです。

佐藤 テレビ的なものとネット的なものの違いってどこにあるんでしょう?

伊藤 ぼくが思うのは・・・プロの仕業だなというものがありありと出ることは確信を持って避けた方がいいと思っています。テレビを見る時と、スマホを見る時は変えた方がいい。
 例えば出川哲朗さんはテレビでは脇にいますけど、ネットでは主役になってMCをやるとか。そういうテレビの既定路線を壊しにいったところに次世代の面白さが生まれてくるような気がします。

佐藤 そう言えばテレビの中でテレ東さんだけ違うことやってるというのが基本にありますよね。

伊藤 だからネットに非常に向いてるのかも。
 とは言え放送局がネットに取り組むなら、お金はかけなくても多少のプロフェッショナルな、「そう来たか」と言ってもらえるようなパンチ力も持っていたい。
 例えばスマートフォンで何かを見ている人はものすごく能動的でしょう。テレビをつけている時はちゃんとした方も受動的で馬鹿になってると思います。それに対してネットでは刺していくというか。

佐藤 そうですね、だからネットでは逆に"見てもらえる"ものにしないと。


動画を続ける馬鹿ヂカラが会社を変える?

伊藤隆行
テレビ東京 制作局 CP制作チーム プロデューサー

伊藤 テレ東プレイでは今後番組のスピンオフを置けるようにもなるといいなと思います。地上波のスポンサーさんにそのままネットでも広告をつけてもらえるようにしたいですね。
スポンサーさんというよりはパートナーさんと言えるような関係になれたらうれしいです。

佐藤 動画広告をやりたいけど置く場所が足りないと思っている企業は多いそうです。作り手が明確でない目的のはっきりしない動画に広告をつけたくない企業も多いのでニーズはあると思います。

伊藤 視聴率とは別に、中身の良さや質の高さで番組を買っていただけたらと。視聴率をとるためにやたら同じようなことをやるのでなく、我々的にはこれが面白いと思いますと言える番組をやっていきたいんです。それをテレビ東京らしさにしたい。テレ東プレイも、 我々らしい動画を並べて、ブランディングだと言えるようにしたいですね。

佐藤 やはりブランディングなんですね。動画がいっぱいある状況を作れば、そこから企業ブランドがにじみ出てきますから。

伊藤 コクヨチャンネルは社員が出ているのがブランディングになっていますね。社員の反応も変わってきましたか?

佐藤 変わってきました。社員って自分の会社のサイトって見ないじゃないですか。よそのことは知ってるのに。社内広報で告知したり出た社員から広がったりで、見てくれるようになりました。若い社員は反応いいですね。

伊藤 これから十年を支えていく若い人を巻き込めるかは大事だと思います。
テレビ局も一回地上波の時代は終わったって考えて、動画コンテンツを若い世代がどんどんやらないと。

佐藤 私たちミドル世代が、若い世代を引っ張るってことですね?

伊藤 我々の世代がおとなしくやらされ仕事をするのか、悲哀たっぷりの中間管理職の仕事をエンジョイしつつもどれだけ馬鹿になれるか。

佐藤 私は馬鹿ってもう言われたくないから。いままでさんざん言われてきたのでもういいです。そろそろ褒められたい。(笑)

伊藤 でも"馬鹿ヂカラ"みたいなものが、会社を変える努力を続けるのに必要じゃないですか。馬鹿と言われてもやっていくという。

佐藤 そうなんです、続けることがすごく大事だと思います。だからやったことをちゃんと"測る"っていうこともしっかりやっていこうと。どうだ!だからやらせてもらいますよ、っていうこともやんなきゃいけない。

伊藤 佐藤さんにとってコクヨチャンネルの今後の理想像は?

佐藤 テレビ局みたいになること。(笑)いやウソです、テレビ局の方を前にすみません。

伊藤 テレビ東京はすぐ超えられますよ。(笑)

佐藤 テレビ局は大袈裟ですが、自社媒体で何ができるかを追求したいです。コクヨは面白いこと、いいことをいっぱいやってるつもりで、マスコミにとりあげられなくても自分のところでどんどん言っていこうよと私は思ってるんです。

伊藤さんはネット動画にこれからどう取り組むお考えですか?

伊藤 "テレビじゃ見られないテレビ東京"という裏テーマを追求しようって言ってます。例えば「ギルガメ」のような方向のものは地上波でやらなくなってますけど、ちょっとエッチな映像をおしゃれなものにだってできるはずなんですよ。動画サイトは、そういったことも含めてあらためて挑戦できるエリアにしていきたいですね。


YOUはどう使うこの道具?

佐藤詠美
コクヨ 広報コミュニケーション部 ブランドコミュニケーショングループ

伊藤 文房具といえば、引き出しの中に使ってない文房具がいっぱいあるんですよ。あいつらが泣いている。

佐藤 文房具ってそういうところありますね。ボールペンなんかみんな山ほど持ってる。

伊藤 そういう番組も作れるかなと。「文房具は泣いている」

佐藤 それぜひぜひ作ってコクヨチャンネルで流させてください。

伊藤 企業の枠を超えてやりますか。クレームが出ないかのチェックはお願いします。
 あと、突然頼んでもないものが届く番組ってどうでしょう?

佐藤 文房具が突然届くんですね?

伊藤 そう大量に入ってる。「これどうしたらいいの?」って悩んでるのを番組にするんです。

佐藤 あたしも似た企画を実は考えていたんです。外国人にコクヨの商品を渡してどう使うかっていう企画。空港で外国の方を待って商品を渡して・・・

伊藤 「YOUは何しに日本へ?」みたいな?「YOUはどう使うこの道具?」

佐藤 ここで言ったことでやっていいことにならないかなあ。

伊藤 いいじゃないですか。思いついたらどんどんやっていって。そういうの大事ですよ。
 あとねえ、社員の方がほんとに愛用してるものとか知りたいですね。社員の方の家に行く番組。

佐藤 家にですか?

伊藤 社員の私生活の中で活躍しているコクヨ!うちの奥さん、これ使ってまして。「帰ってもコクヨ」

佐藤 それ、いただきます! 

 この対談は、5月30日にブライトコーブ社が開催したカンファレンス「PLAY2014」で、お二人が登壇したことから実現した。動画配信に取り組んだ経緯はそれぞれだが、どちらも自然と企業ブランディングにつながっている点が興味深い。動画活用がこれからいよいよ活発になり、楽しさも広がっていくと予感させるお話だった。テレ東プレイとコクヨチャンネルには、今後ますます注目が集まりそうだ。

(撮影:篠田麦也)