仕事のできない人は文章の「型」がわかってない 書くのが苦手で遅いと悩んでいる人への処方箋

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文章が苦手という方にオススメしたい2つめのコツは、接続詞は「2段階」で使う――つまり、「とにかく一気に書いて、あとから不要な接続詞を削る」です。

文章術のベストセラー100冊の中には、「接続詞」について説いた本が20冊以上ありました。

接続詞は、文章の論理展開をはっきりさせ、わかりやすい文章を書くために、とても便利な言葉です。

【接続詞を多用するメリット】

・接続詞で文をつなぐことで、論理展開を意識しながら書くことができる
・接続詞を使ったほうが、論理が破綻しにくくなる
・接続詞のあとの文を強調できるため、伝えたいことが明確になる

一方で、「接続詞はなるべく少なくすべき」と主張する方もいます。

接続詞を多用すると、

・文章の流れがさえぎられる
・まどろっこしい印象を与える
・堅苦しさにつながる

からです。

書き慣れていない人は、

・最初は、論理展開が破綻しないように、接続詞を気にせずに書く
・読み直したときに、「なくても意味が通じるな」と思った接続詞は削除する

ようにしてみてください。例文を見てみましょう。

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【例文】
1月15日(金)に、全社説明会が開催され、今年はプロジェクトBに力を入れるとの話がありました。
説明会では、まず社長が登壇し、前年の業績と、そして今年の予算についての説明がありました。
その話によると、前年はプロジェクトAの成長が140%と好調で、その結果、業績は昨対110%となったそうです。しかし、プロジェクトAのような○○を顧客とする事業の成長は例外的であり、そのため、今年はプロジェクトAではなく、Bのほうに力を入れるとのことです。……
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必要のない接続詞を削ってみると?

この文章を見直し、必要のない接続詞(や、役割の似た言葉)を削ると次のようになります。

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【例文】
1月15日(金)に、全社説明会が開催され、今年はプロジェクトBに力を入れるとの話がありました。
説明会ではまず社長が登壇し、前年の業績と、今年の予算についての説明がありました。
前年はプロジェクトAの成長が140%と好調で、業績は昨対110%となったそうです。
しかし、プロジェクトAのような○○を顧客とする事業の成長は例外的であり、今年はBに力を入れるとのことです。……
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文章を接続する言葉を見直しただけで、ずいぶんスッキリと読みやすくなったはずです。

次ページ接続詞を削ってもよいか見分ける2つのポイント
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