気が付けばスコットランド通に
次の英国王の戴冠式では、ここからその石をウェストミンスターに持っていく大切な石です。立派な高御座のような物の中にその石が鎮座していると思いきや、本当に50×30×30センチメートルほどの、河原にころがっているようなただの石でした。城を見学した人はいつでも、その「運命の石」と名付けられた石も流れで見学できるようになっています。
すったもんだした大層な運命の石が、何の装飾もないただの石であることに、王制についても当時の歴史にも、いろいろ考えが及びます。
好みの問題ですが、遊び感覚で博物館や遺跡、観光所を訪れるだけで、異なる言語をもつ観光客にも視覚に訴えて、その地の歴史や文化に親しめるように工夫されていることにかけては、英国は日本に比べて徹底しているように感じましたし、ここは後述する京都のケースと大きく異なる点だと考えます。
民族の伝統衣装が大人気
お国柄、民族衣装キルト(タータンの巻きスカート風)をはいたバッグパイプ奏者の演奏を、街のあちらこちらで聴くことができますし、姿がみえなくともその響きは、いつもどこかから聴こえてきます。
教会の前で「アメイジング・グレイス」、広場で「ワルツィング・マチルダ」がバッグパイプの音に乗ると心底に響き、目からも耳からも、そして心の底までいつもずっと「スコットランド」を感じました。
私たちが訪れた日の一日は、この地のハレの日だったのか正装した人々が多く、男性の正装は決まってこのキルトをはいた伝統服でした。そして街でもエディンバラ城でも、この伝統服を着た人や兵士、バッグパイプ奏者の人たちは大人気。
彼らにはいつも観光客のカメラが向けられ、快くその要望に応じているのもお決まりの情景です。旅人がその地で見たいものは、名所旧跡だけではありません。日本の国内外で人気が高い京都と、思わず比較してしまいました。
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