「捨てられない義実家」の大掃除で起きた悲劇 パチンコに消える義父に、キレる義母…
「あんたはなんでもかんでも捨てるけど、なんかあったらどうするん?」義母はまだ怒っていた。なんかって何? 政府から各家庭でゴミを1トン用意しなさいって命じられることでもあるのかよ。
「あぁ! もうこうしたらいいんやろ! これで満足やろ」
義母は大声を出しながら、自分の半径1m以内にある物を端に移動させ、床が見える面積を増やした。テレビでゴミ屋敷住人が役所の人に片付けるよう促され怒鳴って大暴れしているのを見たことがあるけれど、それに近いものを感じた。
無惨な姿になったオレンジページ
こうなったらもう手はつけられない。私は義母に、ほとんど料理しないのに何故か毎号義母が購入している料理雑誌オレンジページを読むよう促した。作りたい料理があったらそのページだけ切ってファイリングしようと提案した。邪魔者は大人しくなるし、大量に積まれているオレンジページも少しは片付くだろうと思った。義母がオレンジページを読むことに集中しだしたので、私は風呂掃除に向かった。
風呂掃除を終え戻ると、義母は千切られて無惨な姿になったオレンジページに囲まれていた。どれもこれも食べたくて、食べたいページを千切ったら大量の数になったらしかった。部屋はさらに散らかりを増していた。本の形を保っていた頃の方が随分マシだった。義母の愚かさを低く見積もっていた自分を恨んだ。
「なんやかんやで結構きれいになったな」
夕方頃、やっと掃除を終えると義母は満足そうにしていた。なんやかんやしたのは私だけで、義母は何もしていない。台所や風呂場を掃除したのは私。オレンジページを製本しなおしたのも私。パチンコから帰ってきた義父は「ご苦労なことやな」とかなり上から労ってきたので、粗大ゴミと一緒に出した。
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