ポエムに踊らされる人は頭が悪いのか?

ゆるふわだから巻き込める「あいまい性の合理性」

日本中がポエムであふれている。
「夢」「勇気」「仲間」「絆」「寄り添う」「イノベーション」──。
何かを語っているようで何も語っていない抽象的な言葉が、政治やビジネス、ネット、J-POP界隈に蔓延している。
世の中はいつからポエム化し、人々はポエムに何を求めているのか?
ポエム化現象のナゾを5日連続で解明していく。

2日目は、人材コンサルタントの常見陽平さんに、企業とビジネスパーソンのポエム化を伺う。
※1日目小田嶋隆さんはこちら
常見陽平さん 人材コンサルタント、評論家、大学非常勤講師
1974年生まれ。一橋大学商学部卒業後、リクルートに入社。2回の転職を経てフリーに。2014年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程を修了。著書に『「できる人」という幻想』(NHK出版新書)、『僕たちはガンダムのジムである』(ヴィレッジブックス)、『普通に働け』(イースト新書)、『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)などがある。

 

差別化できないからポエムで訴えかけるしかない

「ポエム化は、商品・サービスの圧倒的な価値を作りにくくなった時代を象徴している」──。

そう語るのは、人材コンサルタントの常見陽平さんだ。商品やサービスの品質が高まり、なかなか差別化できないから、ポエム=ゆるふわな表現で訴えかけるしかないのだという。

その代表例が、俗に「マンションポエム」と呼ばれるものだ。「邸」「丘」「杜」「住まう」といった格調高そうな言葉を過剰に使うマンション広告のキャッチコピーである。

東横・横濱、流儀。プラウドが贈る住の本質を追求した邸。
(プラウド横濱白楽ディアージュ)

浦和の貴みへ。
(シティハウス浦和高砂)

文の京、叡の丘。それは、美しい人生を紡ぐための、「叡智」のレジデンス。
(ブリリア東大前)

 

具体的なのは地名ぐらい。しかも、「横浜」ではなく「横濱」。浦和の「高み」ではなく「貴み」。それってどこ?

「東大が近いってだけで、なんで『叡智』とか言っちゃうのか。ほかに語るべき強みがないからですよ。句読点の打ち方からしてポエムっぽい」

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